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存在感が増す中国:2015年の半導体業界予測(2)(2/2 ページ)
市場規模だけではなく、半導体メーカーの成長という意味でも、中国の存在感が強くなっている。中国はファウンドリ事業に数十億米ドルもの投資を行うことを計画しているが、それに見合うだけの成果を得られるのかは不明だと、専門家は分析する。
ファウンドリ事業は、まだ二流?
中国でICを製造する半導体メーカーのうち、売上高上位2社はSK HynixとIntelで、いずれも中国にとっては外国企業である。ただし、大連にあるIntelの工場で製造されるICは、McClean氏の予測ほど多くはないという意見もある。いずれにせよ、中国メーカーの製造工場が他の世界的なメーカーの工場と比べると、二流であることは否めない。
この傾向は、今後も続くとみられる。McClean氏によると、Samsung Electronicsは中国のNAND型フラッシュメモリ工場の生産量を拡大し、TSMCは、中国の工場で28nmプロセスを適用したICを生産する許可を、台湾政府から得たという。
同氏は、「中国はファウンドリ事業に食い込もうと努力してきたが、満足な結果を出せていない」と述べ、新たに数十億米ドルもの多額の投資を計画していると報じられているが、「それに見合った成果を得られるかどうかは不明だ」と続けた。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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