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ルネサスの最新半導体ソリューション(3)――ARMコア「RZファミリ」のリアルタイム向け製品「RZ/T1」福田昭のデバイス通信(5)(2/2 ページ)

今回は、ハイエンド品である「RZファミリ」に焦点を当てる。RZファミリの特徴としてまず挙げられるのは、ARMの「Cortex」シリーズをCPUコアとして採用している点だろう。

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通信処理とリアルタイム処理をハードウェアで支援

 RZ/T1グループの最大動作周波数は600MHzと、組み込み用マイコンとしてはかなり高い。前回で解説した「RXファミリ」の最大動作周波数は、この1月26日に発表したばかりの最上位シリーズ「RX700シリーズ」でも240MHzであり、それまでの最上位シリーズ「RX600シリーズ」では120MHzにとどまる。RXファミリとの比較では、おおよそ5倍以上の周波数でR4Fコアが動くことが分かる。

 RZ/T1グループのもう1つの大きな特徴と言えるのが、アクセラレータ回路ユニット「R-INエンジン」を搭載した品種の存在だろう。R-INエンジンは、産業用イーサネット通信処理とハードウェア・リアルタイム処理を支援するアクセラレータ回路、それからCPUコア「ARM Cortex-M3コア」で構成される。「R-INエンジン」を搭載した品種は、リアルタイム制御とネットワーク制御をワンチップで処理する、強力なマイコンとなる。

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「RZ/T1グループ」(「R-INエンジン」搭載品)のブロック図(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 この他、モーター制御向けにエンコーダとのインタフェースを備えた品種を用意する。モーター制御ではモーターの回転位置をエンコーダで検知する。このエンコーダ(スレーブ)とホスト(マスタ)は、「EnDat バージョン2.2」プロトコル、「BiSS」プロトコルなどで通信する。このプロトコルは従来、外付けのFPGAに格納していた。「RZ/T1グループ」でエンコーダとのインタフェースを備えた品種は、これらのプロトコルを内蔵する。この結果、外付けのFPGAが不要になる。

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デブコン大阪で使用された「RZ/T1グループ」の資料

次回に続く

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