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足かけ20年、SiCパワーデバイス開発のこれまでとこれから三菱電機 研究開発成果披露会(2/2 ページ)

三菱電機は、SiC(炭化ケイ素)ベースのパワー半導体チップ開発と、それを応用したパワーモジュールおよび製品開発に注力している。SiCパワー半導体の技術革新と実用化で低炭素社会の実現に貢献していく。

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低炭素社会の実現に向けて

 SiCパワー半導体を搭載したインバータの開発も同時に進め、電力損失を大幅に低減できることを実証してきた。例えば、3.7kWフルSiCインバータの場合、電力損失はシリコンベースの製品に比べて50%低減することができた。同様に11kW製品では70%減、20kW製品では90%の削減を達成したという。実用ベースでは、SiC-SBDとシリコンベースのIGBTを組み合わせたハイブリッドSiCパワーモジュールなども提供している。


SiCパワー半導体を搭載したインバータで電力損失を大幅に低減できることを実証 (クリックで拡大)

 研究開発成果披露会の会場には、SiCパワー半導体およびモジュールなどを搭載した機器あるいは試作品もいくつか紹介した。例えば、ルームエアコン用室外機や数値制御装置対応ドライブユニット、EVモータドライブシステム、国内住宅用パワーコンディショナである。

ハイブリッドSiCパワーモジュールとそれを搭載したルームエアコン用室外機(左)、および数値制御装置対応ドライブユニット(右)の外観 (クリックで拡大)
フルSiCパワーモジュールを搭載したEVモータドライブシステム(左)、およびフルSiC-IPM搭載の国内住宅用パワーコンディショナ(右)の外観 (クリックで拡大)

 今後の取り組みについては、省エネ化などによる低炭素社会の実現に向けて、半導体チップのさらなる高耐圧化と低損失化、あるいは低価格化に取り組みつつ、適用範囲の拡大を進めていく方針だ。

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