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亀裂を自己修復する金属配線、フレキシブル機器への応用に期待材料技術(2/2 ページ)

早稲田大学が、クラック(亀裂)を自己修復する金属配線を実現したと発表した。金属配線を覆うように金属ナノ粒子を含む液体を配置し、電圧を印加して、ナノ粒子をクラック部分のみに引き寄せて修復するというもの。フレキシブル機器などに応用できると期待される。

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フレキシブル基板上でも自己修復可能

 今回の研究では、100kHz、3.2V以下の交流電圧を印加した場合、幅1.3μm以下のクラックを自己修復できることが分かったという。配線のインピーダンスは、クラックが生じている時には104Ωオーダーだったが、自己修復後は101Ωオーダーとなった。さらに、柔軟なシリコンゴム基板上での配線の自己修復も、ガラス基板と同様に可能だったという。


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シリコンゴム基板において、金配線上のクラックを金ナノ粒子(半径20nm)で自己修復した様子(クリックで拡大) 出典:早稲田大学
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機器応用に向けたデモ。フレキシブル基板(ポリイミド基板)上にチップLEDが載ったデバイスを貼り、3Vの電圧を印加、自己修復を実行した 出典:早稲田大学

 フレキシブル機器では、配線にも伸縮性や柔軟性が求められている(関連記事:インクにも柔軟性を、伸縮自在の銀ペースト)。ただし、配線に伸縮性を持たせるには、導電性材料をゴムなどに混ぜたり、金属を湾曲させた形状として伸縮性を持たせたりするといったものが多いという。だが、このように、半ば強引に伸縮性を実現した場合、断線するという問題点がある。さらに、クラックの場所や幅を知ることは難しい。クラックの有無を判断し、自ら修復する金属配線は、「非常に有益な機能」だと早稲田大学は強調している。

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