16nm世代FPGA、ザイリンクスが「UltraScale+」ファミリを発表:プログラマブルロジック FPGA(3/3 ページ)
ザイリンクスは、16nmプロセス技術を用いた次世代FPGA「UltraScale+」ファミリを発表した。従来の28nmプロセスFPGA/SoCに比べて、消費電力当たり2〜5倍のシステム性能を実現することが可能となる。
ハイレベルの異種マルチプロセッシングを実現
Zynq 16nm UltraScale+MPSoCは、FPGA技術に加えて、ヘテロジニアスなマルチプロセッシング機能を備えている。プロセッシングブロックには、TrustZoneをサポートする64ビットクアッドコア「ARM Cortex-A53プロセッサ」と、Lock-Step機能などを備えたリアルタイム処理向けの32ビットデュアルコア「ARM Cortex-R5プロセッサ」を搭載している。
また、グラフィックス処理を高速に実行するため、プロセッシングブロックに専用グラフィックスプロセッサ「ARM Mali-400MP」を搭載した。プログラマブルロジックブロックには、ビデオ圧縮/解凍処理を実行する専用の「H.264ビデオコーディックユニット」をハードウェアIPとして内蔵した製品も用意している。CPUコアを含めこれらの演算ユニットをタスクごとに使いこなすことで、消費電力当たりのシステム性能は、従来製品に比べて最大5倍に高めることができるという。また、入出力インタフェースとして、DisplayPortやMIPI、HDMIを備えている。
2015年第4四半期より出荷開始
今回発表したUltraScale+ファミリは、Virtex UltraScale+で6製品、Kintex UltraScale+で7製品、Zynq UltraScale+MPSoCで11製品を用意した。最初のテープアウトとデザインツールのアーリーアクセスプログラムは、2015年第2四半期(4〜6月)を予定している。製品出荷は2015年第4四半期(10〜12月)となる見通しだ。
16nmプロセス技術を用いた次世代FPGA「UltraScale+」ファミリは、LTE Advancedや5世代ワイヤレス通信、テラビットワイヤード通信、ADAS(先進運転支援システム)、産業用IoTなどの用途に向ける。
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