新型MacBookも採用する“USB-C”向け製品投入を加速――ケーブル用小型コントローラを発表:高速シリアルインタフェース技術
サイプレス セミコンダクタは、USB Type-C(USB-C)ケーブル向けコントローラIC「CCG2」のサンプル出荷を開始したと発表した。
サイプレス セミコンダクタ(Cypress Semiconductor/以下、サイプレス)は2015年3月9日(米国時間)、USB Type-C(USB-C)ケーブル向けコントローラIC「CCG2」のサンプル出荷を開始したと発表した。実装面積3.3mm2、高さ2.4mmのWLCSPパッケージなどを採用し、よりUSB Type-Cケーブルに実装しやすくした。
USB Type-Cは、新しいUSBコネクタ/ポートを規定したUSB仕様で、裏表のないリバーシブル形状である他、最大100Wの給電を行うUSB Power Delivery仕様に対応するなどの特徴を持つ。Appleが同日発表した「新型MacBook」にも採用されるなど、今後発売されるPCやPC周辺機器の多くにUSB Type-Cコネクタ/ポートが搭載されていく見込みだ(関連記事:これから世界を席巻する!? USB Type-Cを知る)。
2015年2月に続く、USB Type-Cコントローラ製品
サイプレスでは、USB Type-Cを介してさまざまなデータ通信、給電を行う際に、接続機器間や機器−ケーブル間で通信/制御を行うために必要になるUSB Type-Cポートコントローラ「CCG1」を2015年2月に発表し、既にサンプル出荷を開始している(関連記事:“USB 3.1のすべて”を実現するUSB Type-C ポートコントローラーを発表)。
今回の新製品 CCG2は、このCCG1に続く、第2弾のUSB Type-Cポートコントローラで、USB Type-Cケーブル/ケーブルアダプタ用途向けに特化した製品として開発された。
USB Type-Cケーブルでは、通電容量やサポートするプロトコル、ベンダーIDなどケーブルがサポートする特性を機器に伝えるEMCA(Electronically Marked Cable Assembly)が必要となる。これまで一般に、ケーブルにEMCAを実装する場合、「マイコンと複数のIC、受動部品で構成した」(サイプレス)とするが、CCG2であれば「外付け部品を5個以下に抑えられる」(同社)。パッシブEMCAケーブル、アクティブEMCAケーブルの他、Type-Cポート搭載デバイスをDisplayPortやHDMIポートへの接続も可能なケーブルアダプターに適用できる。
CCG2は、ARM Cortex-M0コアベースのICで、32kバイト容量のフラッシュメモリ、ESD保護機能(接触放電=8kV、空中放電=15kV)を内蔵。今後、予想されるUSB仕様変更に関しても、「製品出荷後でも、ファームウェアの改版により対応できる」としている。
20ピンのWLCSP品の他に14ピンのDFN品(実装面積=8.7mm2)もラインアップし、2015年6月から量産を行う。
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