パナソニックとインフィニオン、GaNパワー半導体で協業:ビジネスニュース 企業動向
パナソニックとインフィニオン テクノロジーズは、GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスを共同開発することで合意したと発表した。
パナソニックとインフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies)は2015年3月10日、両社でGaN(窒化ガリウム)パワーデバイスを開発することで合意したと発表した。パナソニックのノーマリオフ(エンハンスメントモード)GaNパワーデバイスを、インフィニオンの表面実装(SMD)パッケージと組み合わせる。またパナソニックはインフィニオンへノーマリオフGaNトランジスタ構造のライセンスを提供する。
今回の協業により、両社それぞれが高性能なGaNデバイスを製造できるようになる他、「これまで他のGaN on Silicon*)デバイスでは実現できていなかった、パッケージ互換のGaNパワースイッチを2社から調達することが可能になる」(両社)と主張する。
*)GaN on Silicon:シリコン基板上に、GaNを成膜しGaNデバイスを形成すること。
なお、両社は2015年3月15〜19日に米国ノースカロライナ州で開催されるApplied Power Electronics Conference and Exposition(APEC)にDSO(Dual Small Outline)パッケージを用いた600V 70mΩ品のサンプルを展示するという。
GaNパワーデバイスは、SiC(炭化ケイ素)を用いたパワーデバイスと並んで、現状のシリコンによるパワーデバイスに置き換わる次世代パワーデバイスとして注目を集めている。
インフィニオンはこれまで、SiCパワーデバイスの開発に集中し、GaNパワーデバイスには慎重な姿勢をみせていたが、2015年1月にインターナショナル・レクティファイアーを買収したことで、GaNパワーデバイスに関する製品/技術を手に入れている。一方のパナソニックも、GaNパワーデバイスとともにSiCパワーデバイスの開発も手掛け、直近では三社電機製作所と業界最小をうたう1200V耐圧のSiCパワーモジュールを開発している。
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