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既存の100G光伝送システムで400Gの伝送に成功――NTT有線通信技術

NTTとNTTコミュニケーションズは、運用中の100G光伝送システムに対し、400G光信号を増設できることを確認した。4K/8Kの映像配信や、IoTの普及によって増大するトラフィックに対応できる基幹網の実現を目指す。

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 NTTとNTTコミュニケーションズは2015年3月19日、既存の100Gビット/秒(以下、100G)対応の光伝送システムで、100G光信号(QPSK変調信号)と400G光信号(16QAM変調信号)を同時伝送することに成功したと発表した。

 両社は、分散シフトファイバケーブルで構成された既設の100G光伝送網に、1チャネル当たり400Gの光信号の増設・減設を実施し、100G光信号には影響を与えずに、安定した400G光信号を長距離伝送できることを確認したという。つまり、運用中の100G光伝送システムに対して、400G光伝送技術を追加、適用できるということだ。4K/8Kの映像配信や、モノのインターネット(IoT)の普及などによって爆発的に増えるトラフィックにも対応できる基幹網の構築が実現するとしている。

 今回の実験でNTTは、光の位相と振幅の両方に情報を重畳してさらに多値化を図る16QAM変調信号と、サブキャリア多重を適用した400G光送受信系を構築した。NTTコミュニケーションズは、通信品質の劣化要因となりうる高い偏波モード分散を持つファイバ伝送路環境を、実験用に、商用敷設分散シフトファイバケーブルを用いて構築した。実験では、400G光信号と100G光信号を最大12波多重し、混在させて多重伝送した後、100G光信号と、400G光信号の伝送品質を測定した。

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伝送実験の構成(クリックで拡大) 出典:NTT

 さらに、高度デジタルコヒーレント光伝送技術を適用したことで、長距離伝送の実証にも成功したという。デジタルコヒーレント光伝送技術とは、光通信に高速デジタル信号処理を導入するというもの。偏波多重や位相変調などの変調方式により、周波数利用効率が上がるとともに、受信感度も大幅に向上する。NTTによると、波形歪み補償技術と誤り訂正技術を併用することで、誤り訂正の限界値が3dB向上したという。これは、750km以上の伝送が可能であることを示している。

 今後は、400Gおよび400G超の光伝送技術をさらに拡張するとともに、400GbE(ギガビットイーサネット)などの超高速イーサネット信号の収容や、大容量の光伝送網の高度化技術の確立を目指すという。

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