小型、ケーブルレスで超音波エコーをぐっと手軽に、測定画像のクラウド保存も可能:MEDTEC Japan 2015
ソシオネクストは「MEDTEC Japan 2015」で超小型モバイル超音波測定機器「view phii」(ビューフィー)を展示した。病院でしか行えなかった超音波エコーの画像検査が、「片手で、手軽に」行えるようになる。まずはジムやエステなどの現場で、将来的には医療現場での展開を目指す。
ソシオネクストは、医療機器設計/製造の総合展示会「MEDTEC Japan 2015」(2015年4月22〜24日)において、超小型モバイル超音波測定機器「view phii」(ビューフィー)を展示した。
小型でケーブルレスなビューフィーで、病院でしかできない超音波エコー測定がいつでも、どこでも行えるようになる。測定画像は無線通信でタブレット端末などに送信される。専用のアプリをダウンロードすれば、Android端末で利用することができ、ゆくゆくはiOSにも対応する予定となっている。また、測定画像はクラウド上に保存することができる。体の気になる部分の筋肉量や脂肪量などを定期的に測定し、エコー画像を時系列で並べて観察することで、日々のジムやエステ通いの効果がより実感しやすくなるかもしれない。
ソシオネクストは2015年3月に富士通とパナソニックが両社のシステムLSI事業を統合し、新たに発足させた会社だ*)。ソシオネクストとしての歴史はまだ浅いが、ビューフィーには富士通とパナソニックが長年培ってきたLSI技術や、画像処理・ノイズ処理技術が詰め込まれている。
*)関連記事:新会社“ソシオネクスト”発足――富士通とパナのLSI事業統合が完了
ビューフィーの測定精度は、現在医療の現場で使われている安価なものとほぼ同じ。ソシオネクスト担当者は「ゆくゆくは医療現場でも展開していきたい。超音波エコー測定を、聴診器で心臓の音を聞くように手軽なチェックツールとして利用してもらいたい」と話している。また「体内を超音波エコーで可視化し画像でチェックする、という新しい文化を養成して市場を広げたい」とも語り、まずはヘルスケア市場での展開を進めるためになるべく早い発売を目指している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 血管内を撮影する超小型デバイス、リアルタイムで3D画像を送信
米大学が、カテーテル(医療用の柔らかい管)をベースにした撮影用デバイスの試作に成功した。血管内を撮影し、リアルタイムで3D映像を外部に送信できる。 - 新会社“ソシオネクスト”発足――富士通とパナのLSI事業統合が完了
富士通とパナソニックは2015年3月2日、両社のシステムLSIの設計開発部門を統合し、新会社「ソシオネクスト」を発足させ、事業を開始したと発表した。 - 画像診断で高まる3D表示へのニーズ、3Dプリンタとの連携も
「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」では、CTで取得した2次元画像を3次元(3D)化して表示するといった展示が目立った。さらに、そのデータを3Dプリンタで印刷し、教育や診断に生かすというアイデアも提案されている。 - 超音波を使った触覚ディスプレイ、夢は空気ステアリング
触覚ディスプレイは、触覚に刺激を与え、物体の形状や文字情報を伝達する装置である。東京大学の篠田氏が開発した「空間超音波フェーズドアレイによる触覚ディスプレイ」では、超音波の放射圧を用いて触覚を刺激した。 - 超音波診断装置も携帯する時代に、コニカミノルタの“ポケットエコー”
コニカミノルタが「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」で展示した超音波診断装置は、手のひらサイズだ。救急医療での使用を想定したもの。画面が小さすぎるのでは……と思うかもしれないが、腹部に水がたまっているかどうかなどを診断するには十分だという。