UIの表現力向上で機器の新たな価値を創造、ルネサスのHMI用ASSP:プロセッサ/マイコン
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、高度な画像処理性能によりUIの表現力を向上させるためのHMI用ASSP(特定用途向け標準IC)「RZ/Gシリーズ」を発表した。フルHD映像や3Dグラフィックスの表示はもとより、複数の動画処理や顔認証機能なども実現することができる。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年4月、複数の動画処理/表示など、高度なHMI(Human Machine Interface)機能を実現するために、高性能CPUコアやグラフィックス処理機能などを内蔵したASSP(特定用途向け標準IC)「RZ/Gシリーズ」を発表した。家電機器や産業機器、OA機器などの用途に向ける。
ルネサスは、UI(User Interface)の表現力を向上させるHMI用ASSPとして、すでに「RZ/Aシリーズ」を販売している。RZ/Gシリーズはその上位シリーズと位置付ける。RZ/Gシリーズの第一弾となる「RZ/G1シリーズ」として、今回は2品種を用意した。「RZ/G1E」は、最大動作周波数が1GHzのCPU「ARM Cortex-A7」を2コア内蔵。「RZ/G1M」は、最大動作周波数が1.5GHzのCPU「ARM Cortex-A15」を2コア搭載している。
ASSP製品と外部接続するDDR3メモリとのインタフェースのクロック周波数は、800MHzまで高めることができる。USB3.0やPCI Express、Serial ATAといった高速インタフェースもサポートし、機能拡張を容易に行うことが可能だ。
RZ/Gシリーズにはルネサス独自のフルHDに対応する動画コーデックに加えて、Imagination Technologies製の3Dグラフィックスコア「PowerVR SGX540」(RZ/G1E)あるいは「PowerVR SGX544MP2」(RZ/G1M)を搭載した。これらのグラフィック処理用プロセッサを実装することにより、操作方法のガイド動画表示から、動画コンテンツと3Dグラフィックスを組み合わせたサイネージ表示、さらには複数の動画処理や顔認識などの処理を高速に行うことが可能となる。
ユーザーのシステム開発をサポートする体制も強化している。カーナビゲーションなど車載情報システムで培ったエコシステムを活用する。具体的には、システムインテグレートサービスを始め、GUIフレームワークやミドルウェア、OSのサポート、ボード設計サポート、評価/量産ボードの販売サービスなどについて、パートナー企業と連携して提供していく予定である。これにより、ユーザーにおける設計負荷や開発コスト/期間の削減に貢献していく。
サンプル価格(税別)は、RZ/G1Eが4000円となっている。2015年7月よりサンプル出荷を始める。量産開始は2016年7月の予定だ。
今後はRZファミリとして、セキュリティ技術やリアルタイム画像処理技術などを取り込んだIoT機器向けの製品群をさらに追加/拡充していく計画である。
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