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シャープが赤字2223億円、カンパニー制や3500人削減など新中期計画ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)

シャープの2014年度連結決算が2223億円の赤字に。経営再建策として新たな中期経営計画を発表した。

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 2015〜2017年度までの3カ年で新たに策定した中期経営計画では、「抜本的構造改革の断行による安定的収益基盤の構築」目指すために以下の3つの重点戦略を掲げた。

  1. 事業ポートフォリオの再構築
  2. 固定費削減の断行
  3. 組織・ガバナンスの再編・強化

「事業ポートフォリオの再構築」では、現行の2ビジネスグループ・8事業本部を廃止し、新たにカンパニー制を導入。「コンシューマーエレクトロニクスカンパニー」「エネルギーソリューションカンパニー」「ビジネスソリューションカンパニー」「電子デバイスカンパニー」「ディスプレイデバイスカンパニー」の5つのカンパニーに再編して収益力の向上に取り組むという。

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カンパニー制を導入

 固定費については2011年度以降、継続的に削減を進めてきた(2011年度37.3%→2013年度25.6%)同社だが、2014年度は26%とわずかに固定費率が悪化した。「固定費削減の断行」では、拠点の縮小や本社のスリム化、人員適性化などを断行する。

 「2017年度には22.7%まで固定比率を引き下げる。具体策として2015年度上期中に3500人の希望退職を実施。2015年度末までにグローバルで約10%程度の人員削減を目指して、新たな事業構造に見合ったスリムな人員体制を実現する。さらに大阪本社(建物・土地)の売却を進める予定」(高橋社長)。

 「組織・ガバナンスの再編・強化」に向け、2015年10月から導入されるカンパニー制の狙いについて高橋社長は「2013年4月から導入したビジネスグループ制では、本来目指したグループとしての責任経営が十分に機能しなかった。カンパニー制移行の最も重要な狙いは、1つ1つのカンパニーの社長が財務3表に基づき自らの責任をもって自立した経営を行うこと。一方でコーポレートによる統制も強化し、全社として規律あるスピード経営の実現を目指す」と説明する。

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 また、「等級・報酬制度の見直し」「処遇の適正化」「実力ベースの人材登用徹底」「組織のフラット化・シンプル化」などの人事改革も進め、厳しい競争を勝ち抜く強い組織を構築していくという。

 「本格的な成長に向けて、ゆるぎない事業基盤を作り上げていくことが最も重要。そしてシャープがこれから10年、100年にわたって世の中になくてはならない企業あり続けることが、今日まで当社を支えてくれた皆さんへの御恩に報いることと確信している。人に寄り添い、新しい価値を提供し続けることで社会に貢献していきたい」(高橋社長)

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