Intelと連携し、DTC+SVM方式のモータードライバを提案:TECHNO-FRONTIER 2015
オン・セミコンダクターは、「TECHNO-FRONTIER 2015」(2015年5月20〜22日、千葉・幕張メッセ)で、「GaN FETソリューション」や「DTC(Direct Torque Control)+SVM(Space Vector Modulation)方式によるモータードライバの提案」などを行った。
オン・セミコンダクターは、2015年5月20〜22日に千葉・幕張メッセで開催されている「TECHNO-FRONTIER 2015」において、「GaN FETソリューション」や「ACアダプタ向けUSB PD Type Cソリューション」、「DTC(Direct Torque Control)+SVM(Space Vector Modulation)方式によるモータードライバの提案」などを行った。
GaN FETソリューションでは、Transphormと共同開発した耐圧600VのGaN(窒化ガリウム)FETと、この素子を搭載した評価基板を展示した。従来のシリコンMOSFETを搭載した基板に比べて、GaN FETを搭載した電源モジュールは電力変換効率が2〜3%改善される。このため、放熱用のヒートシンクを取り除くことが可能となり、基板面積を約25%も小さくできる。「GaN FETは既に量産供給体制を整えた。大型テレビやサーバ、テレコム装置など、200〜300WクラスのACアダプタ用途に提案していく」(説明員)と話す。
DTC+SVM方式によるモータードライバの提案も来場者の注目を集めていた。Intelと連携して、2015年2月より提案活動を始めたばかりである。今回は、DTC+SVM方式の採用例としてインバータモータードライバと、ブラシレスDCモータードライバを提案した。ACモーターの制御方式としてはFOC(Field Oriented Control)と呼ばれるベクトル制御方式が広く普及しているが、DTC方式も多くの特長を備えているという。
同社によれば、DTC+SVM方式のモーター制御はFOC方式と比べて、モーターの種類やシステム構成にとらわれることなくマルチに対応可能、低速時や高トルク駆動時でも高いパフォーマンスが得られる、などの特長がある。また、信頼性が高く、スイッチング損失を10%低減可能、モーター応答時間を大幅に短縮といった利点があるという。
DTC+SVM方式のモーター制御には、Intel製マイコンボード「D1000」と、オン・セミコンダクター製IPMを搭載した評価基板を用いた。IPMにはプリドライバとIGBTが内蔵されている。IPMを変更することでさまざまな種類のモーターに対応することができるという。
この他、同社のPWMコントローラ「NCP1247」とCypress製コントローラを組み合わせたUSB PD Type Cリファレンスデザインや、望遠撮影などを行う監視カメラ向けに1/256を超えるマイクロステップ制御が可能なモータードライバIC「LV8714TA」などを紹介した。
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