監視カメラに高速可視光通信技術を応用、水中でもワイヤレス伝送が可能に:TECHNO-FRONTIER 2015
太陽誘電は、「TECHNO-FRONTIER 2015」(2015年5月20〜22日、千葉・幕張メッセ)で、監視カメラなどの映像を水中や海中でも高速にワイヤレス伝送できる可視光通信技術などのデモ展示を行った。
太陽誘電は、2015年5月20〜22日に千葉・幕張メッセで開催された「TECHNO-FRONTIER 2015」において、高速可視光通信技術を応用した「高速水中可視光通信」や「ロータリジョイント」、および光変位センサー技術とこれを応用した「トルクセンサー」などの開発成果をデモ展示した。
高速水中可視光通信技術は、水中や海中などで撮影したカメラの映像を、「高速にワイヤレス伝送したい」といった用途向けに開発を進めてきた。独自の可視光通信技術により最大100Mビット/秒の高速データ通信を実現している。
「通過しやすい波長は海水や真水など水質によって異なる。開発中の可視光通信では水質に応じて濃青色から緑色まで波長の異なるLEDを選択することができる」(説明員)と話す。LEDを4個用い、水中における光の伝搬ロスを0.6dB/mとした場合に、概算で伝送速度50Mビット/秒で最大30mの全二重通信が可能だという。「デモ展示した製品では4個のLEDを用いて、それぞれ同一のデータを送受信した。水中で送受信部の間を小さい魚が横切ってもデータ通信が途切れないようにするため」(説明員)だという。
ロータリジョイントは、可視光通信技術と非接触給電技術を組み合わせている。上部に取り付けられたネットワークカメラで撮影した映像を、双方向全二重通信方式を用いて可視光通信を行う。その上、カメラへの電力供給も電磁誘導方式の非接触給電で行われるため、電源や信号配線などを気にする必要がなく、上部にあるカメラ部は無制限に回転することが可能である。
光変位センサーは、独自の光学設計技術と回路/構造設計技術などにより、測定精度±0.1μmで最大検出範囲1000μmと、高精度で長レンジの検出を両立させている。センサー部は発光部と受光部の間に2枚の光学素子を挟み込んだ構造となる。センサーを取り付けた被測定物に外圧や振動が加わると、センサー内部の光学素子が変位する。この時、光学素子間の移動量を受光部に入る光量変化で検出する仕組み。センサーの形状は、20×20×10mmと小さい。
展示ブースでは、棒状のハンドル中央部にセンサーモジュールを取り付け、サブミクロンのねじれ量を検出して、トルクを測定するデモなどを行った。「光ディスクの作成で蓄積した技術が光変位センサー開発の基盤となっている。風力発電用風車や船舶用スクリュー、物流システムのコンベアなどの用途におけるトルク測定、ビルや橋梁のたわみ測定などを高精度に行うことができる。システムの稼働後や建築物の竣工後に取り付けることができるのも特長の1つだ」(説明員)と話す。
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