Intel、スマートグラスメーカーを1億7500万ドルで買収:M&A
Intelが、スマートグラスやヘッドアップディスプレイ(HUD)を手掛けるRecon Instrumentsを買収した。このところIntelは、スマートウオッチやスマートグラス関連の技術提携や買収が増えている。
Intelは2015年6月17日(米国時間)、スポーツ向けのスマートグラス・ヘッドアップディスプレイ(HUD)を手掛けるカナダのRecon Instrumentsを買収したと発表した。買収額は、1億7500万米ドル(約215億円)と報じられている。
Intelのベンチャーキャピタル部門は、製品開発とマーケティング、販売を加速すべく、2013年にReconに投資している。Intelは今回の買収により、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)市場での存在感を高めたいとしている。
Reconは今後も、スキー用のHUD「Snow」や、アクティビティ全般に使える「JET」の販売を続ける。加えて、IntelのNew Devices Groupと協業して、より幅広いユーザーや市場に向けたスマート機器プラットフォームの開発を進めるという。
Intelは2014年12月に、大手アイウェアメーカーであるイタリアのLuxottica(ルックスオティカ)との提携を発表している。Luxotticaは、Ray-BanやOakleyなど複数のブランドを所有する。また、2015年3月には、Googleや、大手高級時計メーカーのTAG Heuer(タグ・ホイヤー)と提携して、「Android Wear」を搭載したスマートウオッチを開発すると発表した。
調査会社のMoor Insights & Strategyでプレジデントを務めるPatrick Moorhead氏は、「Intelは、Reconの技術とLuxotticaを組み合わせると思われる」と予想している。Reconの既存製品は、Intelのプロセッサを搭載していないが、将来的には、Intelがウェアラブル機器向けに発表したボタンサイズの小型モジュール「Curie(キュリー)」が採用されることもあるかもしれない。
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