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米大学が“3D指紋認証スキャナ”を開発、パスワードは過去のものに?真皮まで画像化(2/2 ページ)

米国カリフォルニア大学の研究チームが、指の表皮だけでなく真皮まで画像化する“3D(3次元)指紋認証スキャナ”を開発した。表皮だけを見る現在の指紋スキャナとは異なり、表皮の下の組織まで画像化するので、なりすましが難しくなるという。極めて安全な指紋認証システムを実現する鍵になりそうだ。

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皮膚表面化の情報を“プライベート化”

 現在、人が触ったグラスなどから指紋を取り(警察と同じような手法で)、その2次元画像を生成し、指紋認証によって保護されているデバイスでなりすましをすることは、クラッカーにとっては比較的簡単だとされている。しかし、今回開発したような3D指紋認証の場合は、そう簡単にはいかない。

 Horsley氏は、「3D指紋認証技術によって、皮膚表面下の特徴を、プライベート化することができる」と述べる。

 Horsley氏の研究チームは、このようなコンセプトを実証していく上で、InvenSenseと協業関係を築いている。InvenSenseのMEMS製造プラットフォーム「Nasiri-Fabrication」を利用した。

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“3D指紋認証”向けの超音波MEMSセンサーの構造。CMOSウエハーとMEMSウエハー(P-MUT[Piezoelectric Micromachined Ultrasound Transducer]アレイを集積)を接続している (クリックで拡大) 出典:カリフォルニア大学
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上の図の電子顕微鏡写真 出典:カリフォルニア大学

 現在、同センサーは開発の段階だが、第2世代のプロトタイプが既に完成しているという。Horsley氏は、「第2世代のプロトタイプの評価を行っているところだ。第2世代品は、第1世代品に比べて市場からの要件を、より考慮した。2015年秋には何らかの情報を発表できると思う」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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