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ARMから見た7nm CMOS時代のCPU設計(20)〜まとめ:CPU設計の将来像:福田昭のデバイス通信(31)(3/3 ページ)
シリーズ最終回となる今回は、これまでの内容をまとめてみよう。トランジスタの将来像から、消費電力と性能のバランスの取り方、微細化(スケーリング)の余地の拡大まで、ひと通り振り返る。
微細化(スケーリング)の余地を拡大する
微細化(スケーリング)の余地を拡大していく努力も欠かせない。まず、増大するばらつきに対処する。ばらつきを抑えるためには、ばらつきのモデリングが不可欠である。良好なモデルによってばらつきの特性を把握し、対処手法を見つける。
それから、メモリ技術の革新がきわめて重要になる。現在のメモリを超える、新しいメモリ(次世代不揮発性大容量メモリ)の開発に大きな期待がかかる。
そして3次元IC技術は今後、ますます重要になるだろう。異なるプロセス技術で製造された複数のシリコンダイを積層した半導体製品が増加していく。シングルダイに集積するよりも、製造コストが安価であることが強みだ。
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