M&Aの高まりに危機感を覚える台湾メーカー:「半導体業界から取り残されるのでは?」(2/2 ページ)
半導体業界では、世界的にM&Aが進んでいる。この動きに取り残されるのではないか、と危機感を覚えているのが台湾メーカーだ。
規制緩和の動きは、ゼロではない
政府による規制緩和策や、中国への投資を行う動きが、まったくないわけではない。政府は、TSMCとUMC(United Microelectronics Corporation)に対して、最新世代から2世代前のプロセス技術を適用することを条件に、中国に製造工場を設立する許可を出している。UMCは約10年前、台湾の規制に反して、中国のファウンドリHe Jian Technologyに投資したと報道された。
この他、UMCは最近、中国南東部のアモイ市で合弁事業計画を進めているという。
2020年ごろまでに、中国政府による景気刺激策の成果によって、発展途上にある中国の半導体業界が世界的な成長をリードすると予測されている。台湾の半導体企業は、中国でのビジネスチャンスを逃すことになるのではないかと懸念している。
Tsai氏は、「台湾政府は、台湾企業によるM&Aの促進を含め、もっと積極的かつオープンにならなくてはいけない」と語っている。また、台湾半導体メーカーのある幹部は、「中国で投資したい台湾企業にとって、政府の規制は煩わしいものでしかない」と話した。同幹部によれば、「投資の目的にもよるとは思うが、5000万米ドルを超える投資については、政府が言うところの“特別な許可”を取らなくてはいけない。だが許可の判断について透明性が全くなく、われわれは、なぜ政府が許可したのか、または却下したのかという理由を知ることができない。さらに、許可が得られるまでに最短で3カ月かかる。通常は5〜6カ月待たなくてはならず、ひどい時には8カ月かかることもある」という。
業界関係者によれば、「もし規制が緩和されれば、台湾と中国の双方向でM&Aが増えるだろう」という。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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