第6世代iPod touchを分解、目を引く「A8」:製品解剖
iFixitが、2015年7月に発売されたばかりの第6世代「iPod touch」をさっそく分解している。新iPod touchは、「iPhone 6」に搭載されているプロセッサ「A8」やコプロセッサ「M8」を採用している。第5世代では「A5」だったことを考えると、ずいぶん進化している。
2015年7月15日(米国時間)に販売を開始した第6世代「iPod touch」。「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」に搭載されているプロセッサ「A8」とコプロセッサ「M8」を採用した製品で、4インチの「Retina」ディスプレイを搭載している。評価が高く、売れ行きも好調のようだ。
恒例だが、iFixitが早々に分解しているので、その様子を見てみよう。
メインボードの搭載部品
やはり、A8の存在が目を引く。第5世代に搭載されているのは「A5」である。Aシリーズとしては初めてデュアルコアを採用したもので、「iPhone 4S」「iPad 2」「iPad mini」に搭載されているものだ。iPod touchの新世代品が発売されたのは3年ぶりなので、プロセッサがA5からA8に一気に進化しているのは当然なのかもしれないが、採用されているプロセッサをこうして比べてみると、「iPod touchのリニューアルはずいぶん久しぶりなのだな」と、あらためて感じてしまう。
ただし、第6世代iPod touchに搭載されているA8は、動作周波数を、iPhone 6/iPhone 6 Plusの1.4GHzに比べて、1.1GHzに下げているという。
赤:Appleのプロセッサ「A8」と、SK Hynixの1Gバイト LPDDR3 RAM
オレンジ:NXP Semiconductorsのコプロセッサ「M8」(ARMの「Cortex-M3」コアを採用したマイコン)
黄色:東芝の128Gビット(16Gバイト)NAND型フラッシュメモリ
緑:InvenSenseの6軸センサー(加速度センサー+角速度センサー)「MP67B」
水色:Universal Scientific IndustrialのBluetooth/Wi-Fi通信モジュール「339S0231」(おそらく、Broadcomの「BCM4354」をベースとしている)
青:BroadcomのタッチスクリーンコントローラIC「BCM5976」
ピンク:Texas Instruments(TI)のタッチスクリーンコントローラIC「343S0645」
上記以外の部品としては、以下が搭載されている。
赤:Cirrus Logicのオーディオコーデック「338S1116」
オレンジ:NXP Semiconductorsのディスプレイインタフェースコントローラ「1610A2」
黄色:Texas Instruments(TI)の電源管理IC「TPS65730A0P」
緑:「338S00040-AZ」と刻印された電源管理IC
iFixitは、修理のしやすさを10段階中「4」と評価している(「10」が最も修理しやすい)。ちなみに、第5世代のiPod touchは、「3」だった。
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