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超低消費デバイスが作製できる強誘電体薄膜スマホの駆動時間も飛躍的に延びる!?(2/2 ページ)

東京工業大学の清水荘雄特任助教らの研究グループは、強誘電体の極薄単結晶膜の作製に成功した。極薄膜でも安定した特性の強誘電体膜が得られ、超高密度メモリやスマートフォンなどで消費電力を極めて小さくすることができる新型トランジスタの製造が可能だという。

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「逆サイズ効果」も実証

 今回の研究成果は、新たな機能や性能を備えたデバイスへの応用が期待されている。研究グループは、強誘電体メモリの大容量化、強誘電体抵抗変化メモリの実用化、高性能で極めて消費電力の小さい新型トランジスタの作製、などをその一例として挙げた。

 酸化ハフニウム基物質では、薄膜になるほど強誘電性が向上する「逆サイズ効果」が4年前に報告され注目を集めた。しかし、従来は多結晶であるため安定した特性を得ることが難しいとされていた。今回は、結晶方位がそろった単結晶膜の作製に成功したことで、逆サイズ効果を実証した。これによって、薄くなるほど特性が劣化するといわれてきた強誘電体の「サイズ効果」を覆すとともに、「逆サイズ効果」の起源解明や新物質の探索が加速するものとみられている。


酸化ハフニウム基物質(赤い線)で発見された強誘電性の膜厚依存性。薄膜になるほど強誘電性が向上する「逆サイズ効果」を示している (クリックで拡大) 出典:東京工業大学 元素戦略研究センター

 今回の研究成果は、応用物理分野の学術誌「アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)」オンライン版に7月24日付で掲載された。

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