ノイズ・熱対策一体シート、パナソニックが開発:熱拡散とノイズ抑制を75μm厚シート1枚で実現
パナソニックは、PGSグラファイトシートとの複合化で、熱と電磁ノイズ対策を1枚のシートで実現する「電磁ノイズ抑制・熱拡散一体シート」を開発した。薄型モバイル端末や車載機器、産業機器などの用途に向ける。
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2015年8月、PGSグラファイトシートとの複合化で、熱と電磁ノイズ対策を1枚のシートで実現する「電磁ノイズ抑制・熱拡散一体シート」を開発したと発表した。2017年9月よりサンプル出荷を始める予定だ。薄型モバイル端末や車載機器、産業機器などの用途に向ける。
電磁ノイズ抑制・熱拡散一体シートは、均質な金属磁性粒子を樹脂中へ高密度に配向分散する「分散・圧縮プロセス技術」や、熱拡散特性とノイズ抑制特性を向上する「一体貼り合わせ技術」などにより実現した。
低歪みでアスペクト比の高い扁平構造の均質な金属磁性粉末を、樹脂中に高密度に配向する分散・圧縮プロセス技術により、従来は難しかったシートの薄型化と電磁ノイズを抑制する機能を実現した。また、電磁ノイズを抑制する効果のある機能性接合層を開発し、電磁ノイズ抑制シートに付与する一体貼り合わせ技術を採用した。これにより、熱拡散とノイズ抑制の特性を向上することができた。
電磁ノイズ抑制・熱拡散一体シートは、周波数が500M〜6GHzまでの電磁ノイズに対して抑制効果が得られるという。使用温度範囲は−40〜125℃である。熱伝導率は1600W/(m・k)。標準製品の厚みは75μmまたは100μmとなっている。標準シートの外形寸法は60×110mm。同シートは薄く柔軟で、熱とノイズの対策を1枚で行えるため、モバイル機器や車載機器など、高密度実装が進む用途の熱やノイズ対策に適している。
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