ハンズフリーIP電話が対面業務の効率を上げる:首から下げて使える小型端末を利用(2/2 ページ)
アドバンスト・メディアは、IP電話サービスの発売を開始すると発表した。同日に発売される音声認識に特化したウェアラブル端末と連携することで、ハンズフリーで通話を実現するという。
3種類の通話方式に1台で対応
AmiVoice IP-Phoneは、スマートフォンだけでも起動できるがAmiVoice Front WT01と連携することで、ハンズフリーで音声操作ができる。例えば、電話帳を呼び出し、ダイヤル操作、架電・受電を行うことができる。作業の手を止めることなく、効率的に業務を行うことが可能になるのだ。
1対1の通話に加えて、グループ通話が可能な機能(IP-PBX)、最大300名に一斉同報が可能なIPインカムの3種類の通話方式を1台のスマート端末に集約。また、顧客の情報データベースと連携することで、音声によるデータベース情報を取得できる機能がある。
新しいワークスタイルを提案
同社は、AmiVoice IP-Phoneをはじめとして、AmiVoice Front WT01を軸に対面業務における新しいワークスタイルを提案するサービスを開発していくという。これまでは、お客様の目を気にせずに使えるくらい小型な音声認識端末がなかった。コールセンターや物流倉庫で使われている端末はサイズが大きく、人前で気軽に使うことができなかった。
2015年7月には、現場の「気づき」を収集・分析するシステム「AmiVoice iVoX for KIZUKI」を展開している。例えば、お客様からの「この商品の赤色はないの?」といった要望に対して、「OK! AmiVoice」と言うとAmiVoice Front WT01が起動する。
売り場の店員が「商品Xでは、赤を希望されるお客様が多いので、赤もラインアップに加えるといいと思います」と直接、AmiVoice Front WT01に吹き込む。すると、その音声がAmiVoice iVoX for KIZUKIに転送され、自動的に文字起こしされてデータとして蓄積される仕組みだ。このようにして、現場に寄せられる声を蓄積し、管理することが可能になる。同社のクラウド事業部長の坂口毅雄氏は、「コールセンターよりも、現場の声を集めた方が業務の改善につながるのではないか」と語る。これらのサービス開発を通じて、同社はフロント業務の「新しいワークスタイル」を提案し、「働き手不足」といった社会問題の解決や、ワンランク上の顧客満足度と生産性向上の実現を目指すという。
3年間で累計ユーザー10万人を
AmiVoice IP-PhoneとAmiVoice Front WT01を合わせたIP電話は、ハンズフリーでの作業促進が見込まれる場所で活用ができるため、製造業界、医療業界、航空業界、警備業界など幅広い業界への展開を見込んでいるという。
価格は、初期費用不要で1社当たりの月額基本料金が2万円(税別)、1ユーザー月額800円(税抜)でサービスが利用可能。SIM通話のみの音声認識コールであれば、1ユーザー利用料は、月額30円(税抜)となっている。2015年9月15日から発売を開始し、3年間で累計ユーザー10万人を目標としている。
<AmiVoice Front WT01の仕様>
無線方式:Bluetooth Ver.4.0(HSP/HFP v1.6/A2DP/AVRCP)Class2
マイク:2マイクアレイ
スピーカー:0dB〜-45dB(ステップ幅 2.5〜3dB 16段階)
ジャック:Φ3.5mm 4極(イヤホン、ヘッドセットマイク用)
ジャック2:MicroUSB (充電用)
外形寸法:幅38mm×奥行100mm×高さ19mm
防水性:IPX4相当
駆動時間:連続動作時間8時間以上、連続待機時間100時間以上
充電時間:2〜3時間
重量:56g
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