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シースルーな液晶ディスプレイで新市場を拓く有楽町線豊洲駅で実証実験中

シャープは「CEATEC JAPAN 2015」において、透明な液晶ディスプレイを展示した。ホーム転倒防止柵や百貨店のショーウィンドウ、デジタルサイネージなど、新しいディスプレイ市場の発掘・拡大につながることが期待される。

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 シャープは、「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7〜10日、幕張メッセ)の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ブース内において、透明な液晶ディスプレイを展示した。NEDOが、シャープと産業技術総合研究所に委託しているプロジェクト「デザイン多用途型省エネディスプレイ」によって開発が進められているものだ*)

*)関連記事:クリーンデバイス社会実装推進事業、NEDOが新たに6テーマ追加

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透明な液晶ディスプレイ。サイズは約10インチ。ディスプレイの後ろに家の模型を置き、「透明」だということが分かるようにしている。コントラストが高い白黒の画像でもくっきりと表示されている(クリックで拡大)

 この透明液晶ディスプレイは、LEDバックライトを背面ではなく、ディスプレイの上下および側面のみに配置し、導光板を使って光を散乱させる方式(導光板方式)を用いている。同方式を用いつつ、透明性を実現させたところが最大の特徴だという。さらに、カラーフィルタを用いず、RGBの各LEDを時間差で点滅させる時間分割方式を採用することで、無駄なく光を使い省エネ性を高めている。

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透明液晶ディスプレイに採用している方式。RGBの各LEDは240Hzで点滅している。それに合わせて、液晶も、通常の液晶ディスプレイの約4倍の速さで切り替えている(クリックで拡大)

 シャープの説明担当者によると、用途の1つとして考えられているのがホームに設置する転落防止柵だという。「現在使われている転倒防止柵には圧迫感を感じるので、透明にしてほしいという声が多い。一方で、転倒防止柵にディスプレイを組み込み、デジタルサイネージとして活用したいというニーズもある。透明な液晶ディスプレイを使うことで、両方のニーズを満たすことができるようになる」(同社)。

 この他、車窓やドア、ついたて、百貨店のショーウィンドウなど、さまざまな分野に展開できるとしていて、ディスプレイ市場の拡大が期待される。

豊洲駅で実証実験中、量産も可能なレベルに

 実証実験も始まっている。シャープは東京メトロと共同で、透明液晶ディスプレイ1台を有楽町線豊洲駅の透過型ホームドアとして設置し、2015年9月19日から半年間の予定で実証実験を行っている。設置されているのは20型のディスプレイで、駅の案内や広告などの映像コンテンツを表示している。

 なお、シャープの説明担当者は、「詳細は明かせないが課題もある」としつつ、量産まであと1歩のレベルには来ていると話した。

photophoto カラー表示もできる(左)。右は、地図の表示例(クリックで拡大)

CEATEC JAPAN 2015(CEATEC 2015)

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