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ルネサス 自動運転車の頭脳となる次世代SoC発表:「自動運転レベル2、3を超えることができる」(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2015年12月2日、車載情報システム向けSoC「R-Carシリーズ」の第3世代品を発表した。2018年以降に市販される自動車への搭載を見込んだ製品群。第1弾製品として同日、サンプル出荷を開始した「R-Car H3」は“自動運転時代のSoC”と位置付けたハイエンド品で、最先端となるTSMCの16nm世代FinFET+プロセスを採用し、高性能な処理能力を盛り込んだ。
次期第4世代では、AI対応に
R-Car H3の量産は、2018年3月を予定。今後、第3世代R-Carとして、ミドルエンド品やローエンド品などを順次展開する予定。第2世代までは、ハイエンド、ミドルエンド、ローエンドで各1品種をラインアップしたが、第3世代では「これまでよりも幅広いスケーラビリティを実現し、さまざまな車種に最適なデバイスを提供する」(吉田氏)と、より多くの品種をそろえていく方針。
開発スケジュールについても吉田氏は「第2世代までと同様のスケジュールになる見込み」とし、今後1年半ほどをかけて、品種数を整え、2018年頃に第4世代品を投入する見込み。第4世代品について大村氏は「“知性”を加えたSoCにしたい」とし、人工知能(AI)対応のSoCを目指す方針を示した。
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