高性能A/D変換器の開発成果と本音トークのパネル討論会:福田昭のデバイス通信 ISSCC 2016プレビュー(5)(3/3 ページ)
セッション15では、Analog Devices(ADI)が発表する、入力帯域幅が465MHzと極めて広いΔ-Σ方式のA/D変換器などに注目したい。2016年2月1日と2日の夜に行われる、パネル討論会も興味深い。「無線回路を20nm未満に微細化する必要はあるのか」や、「2000年代の回路設計で最も素晴らしい瞬間」などが討論のテーマだ。パネリストたちの熱い本音トークが聞けることを期待したい。
人気のクイズ番組をデータ・コンバータのパネル討論で再現
2月2日のイブニングイベントのテーマは「Survey Says!(調査の結果は!)」と「Eureka! The Best Moments of Solid-State Circuit Design in the 2000s(エウレカ! 2000年代の回路設計で最も素晴らしい瞬間)」である。
前者は、テレビの人気クイズ番組「Family Feud」(日本のクイズ番組「家族対抗クイズ合戦」およびその拡大版「クイズ 100人に聞きました」のオリジナル)をモデルに、データ・コンバータ設計のエキスパートが2つのチームに分かれて対抗戦を実施する。ここで「Survey Says!」というのは、前述のテレビ番組「Family Feud」で特定の質問に対する回答数の上位を紹介するときの決まり文句である。登場する質問は、以下のようなものが予定されている。「テープアウトが完了した直後にあなたが最初にすることは何か」「テープアウトまでに予定よりも時間がかかったときに上司に何と言うか」「データ・コンバータの設計で最も良くやってしまうミスは何か」、などである。
後者の「エウレカ!」とは古代の著名な数学者で発明者、技術者であるアルキメデスが、「アルキメデスの原理」を思い付いたときに叫んだとされる言葉で、「ひらめいた!」や「分かった!」などの意味で使われる。回路設計者にとってもアイデアをひらめいた瞬間とは非常にうれしく、幸福なひとときだ。しかしひらめいたアイデアが実際に使われるとは限らない。このイベントでは電力変換、クロック発生、ミリ波、ワイヤレス、バイオメディカル、ワイヤラインの6つの分野を代表するエキスパートがそれぞれ、近年の「エウレカ!」な出来事とその意義を解説する。
(次回に続く)
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