オムロン、高低差±5cmを検知するセンサーを発表:見守りやフィットネス分野向け
オムロンは2016年1月12日、±5cmに相当する±0.6Paの気圧変化を検知する「絶対圧センサー」の量産を開始すると発表した。従来製品と比較して約10倍の高精度化を実現したという。同製品は、2016年1月13〜15日に東京ビッグサイトで開催される「ウェアラブルEXPO」で展示予定だ。
オムロンは2016年1月12日、±5cmに相当する±0.6Paの気圧変化を検知する「絶対圧センサー」の量産を開始すると発表した。スマートフォンや健康管理向けのウェアラブル端末、活動量計などに搭載することで、立つ/座る/寝る/倒れるといった人の動作や階段などの昇降を高精度に判別するアプリケーションを実現するという。
なお、同製品は2016年1月13〜15日に東京ビッグサイトで開催する、ウェアラブル端末の活用と技術の総合展「ウェアラブルEXPO」のオムロンブースで展示される。
従来製品の約10倍の高精度化
同製品は、気圧を検知するMEMSセンサーチップと信号を処理するICチップによって構成されている。MEMSセンサーチップの空洞部分に貼られているダイアフラムという膜の大気圧による変化を、ピエゾ抵抗素子が検知することで圧力を計測できる仕組みだ。
同社は、±5cmに相当する±0.6Paの気圧変化を検知可能にした要因として、「ダイアフラムの可動領域を拡大することで、MEMSセンサーチップの高感度化を実現した。また、ICチップにデジタルフィルターを内蔵することで徹底した低ノイズを図った」と語る。これにより、従来製品の絶対圧センサーと比較して10倍の高精度化を実現している。温度センサーを内蔵し、センサー周囲温度の変化に対する気圧影響の補正も可能だ。
同製品のパッケージの大きさは、2.0×2.5×0.85mmである。価格は、オープン価格としている。圧力測定範囲は30〜110kPa。電源電圧範囲は1.71〜3.6Vで、平均電流は4.1〜21.4μAだ。I2C/SPIのインタフェースを備えている。
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