GaN基板などの欠陥を高速・高感度に検出:手作業の測定からインライン検査まで対応
レーザーテックは、「第33回 エレクトロテスト ジャパン」で、ハイブリッドレーザーマイクロスコープ「OPTELICS HYBRID」を中心に、半導体材料やデバイスの表面形状測定/観察を行うための装置を紹介した。
レーザーテックは、「第33回 エレクトロテスト ジャパン」(2016年1月13〜15日、東京ビッグサイト)において、ハイブリッドレーザーマイクロスコープ「OPTELICS HYBRID」を中心に、半導体材料やデバイスの表面形状測定/観察を行うための装置を紹介した。手作業での測定からインライン検査まで、さまざまなニーズに対応できる装置を用意している。
展示ブースではOPTELICS HYBRIDを始め、ウエハーバンプ検査測定装置「WASAVIシリーズ BIM300」や透明ウエハー欠陥検査/レビュー装置「WASAVIシリーズ TROIS32/33」などのデモ展示を行った。
OPTELICS HYBRIDは、405nmレーザー光源と、カラーコンフォーカルと呼ぶ異なる2つの光学系を融合している。これにより、高い分解能と倍率、広視野角(一般的なレーザー顕微鏡に比べて約1.6倍)を実現するとともに、光干渉測定、反射分光膜厚測定など、6つの機能を1台に集約している。また、独自の高速スキャニング技術により、15フレーム/秒の処理スピードで検査することができる。展示ブースでは、基板上に形成されたバンプの高さや幅を高速/高精度に測定するデモなどを行った。
WASAVIシリーズ BIM300は、インライン対応の検査装置で、TSVプロセスにおけるバンプの3D形状測定などを全自動で行うことができる。貼り合わせウエハー薄膜後の外周部検査などにも利用できる。測長SEM(Scanning Electron Microscope)装置などでは得られない広視野での高解像度観察を可能とした。
WASAVIシリーズ TROIS32/33は、シリコン(Si)ウエハー上に窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させたGaN on Siエピウエハーの欠陥検査などに適している。焦点のあった情報のみを検出するコンフォーカル光学系を採用していることから、裏面反射などの影響を受けない安定した検査を行うことができる。また、微分干渉光学系により、シャロースクラッチやさまざまな結晶欠陥を高い感度で検出することができる。「コンフォーカル光学系を用いることで、一般的なレーザー顕微鏡では検出することが困難な欠陥も発見することができる」(説明員)と話す。
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