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生体組織に直接貼り付け、体温の分布を測定:有機デバイスをバイオ医療に生かす(2/2 ページ)
東京大学の染谷隆夫氏らは、「nano tech 2016 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」で、体に直接貼り付けることが可能なフレキシブル体温計などの開発品をデモ展示した。柔らかい有機デバイスをバイオ医療に応用していく。
シャツなどに導体印刷、伸びても導電性維持
展示ブースでは、スポーツウェアに印刷した伸縮性導体も紹介した。導体機能を持つ導電性インクを布地にプリントし、80〜90°に設定したオーブンで2時間乾燥させると完成する。印刷した元の長さの約3倍まで伸張しても導電性を維持することができるという。
体に張り付けたセンサーやサポータータイプのセンサーなどと、布地に印刷した伸縮性のある導体の技術を組み合わせることで、ウェアラブル機器の利用形態が広がる可能性が高まった。今回開発した導電性材料はインクまたはペーストの状態で、数か月後にはサンプル出荷できる見通しだという。
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