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ひたすら回せ! 停電でも頑張れば使える自販機:蓄電装置に電気二重層キャパシターを活用(2/2 ページ)
日本ケミコンは、2016年3月2〜4日に東京ビッグサイトで開催されている「二次電池展」で、電気二重層キャパシターを用いた自動販売機「エネレンジャー」を展示した。災害や非常時に停電になっても、手回し自家発電を回すことで電気を作り、いつでも飲み物を取り出すことができるという。
スマホの充電も可能
エネレンジャーの機能は、飲み物を取り出せるだけではない。手回しユニット下のフタを取るとUSBとACアダプターが出てくるのだ。つまり、スマホやPCの充電ができる。
なお、飲み物の取り出し/充電には、70回以上ハンドルを回す必要があるという。
長寿命の電気二重層キャパシターを生かす
エネレンジャーはサンデン・リテールシステムが開発し、2011年6月から発売されている。日本ケミコンが、蓄電装置に使用する電気二重層キャパシターを提供。電気二重層キャパシターは、二次電池と比較してエネルギー密度は劣るが、出力密度が高く、大電流での充放電の繰り返しによる性能劣化が少なくて長寿命といった特長があるという。
説明員は、「災害時や緊急時に飲み物を取り出せる自動販売機は他にもあるが、蓄電デバイスに鉛電池を使用している。しかし、鉛電池は電池の容量がなくなると、そこで利用できなくなってしまう。エネレンジャーは、電気二重層キャパシターの長寿命であるメリットを生かして、安心して利用できる」と語った。
エネレンジャーは現在、「官公庁を中心に普及が進んでいる」(説明員)とした。
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