ファナックなど、製造業IoT進める情報基盤を発表:分散型機械学習を実装可能(2/2 ページ)
ファナックなど4社は、製造業の現場において、さまざまセンサーから得られたデータを1つのプラットフォームで解析することで、設備効率/生産性/品質を向上させることを目的とした情報基盤プラットフォーム「FANUC Intelligent Edge Link and Drive system」を発表した。
機器の学習結果をリアルタイムに共有
今回の特徴点の1つとして挙げられるのは、Preferred Networksによって実現した機械学習/人工知能の実装である。人工知能とエッジコンピューティング技術を製造業現場で組み合わせることで、それぞれの機器の学習結果をリアルタイムに共有する「分散型機械学習」ができる。分散型機械学習により、機器から得られたデータを全てクラウドに上げる必要なく、機器同士の通信遅延時間を減らすことが可能という。
具体例としてデモが披露されたのは、3台のロボットによる分散型機械学習。3台の学習結果をリアルタイムで共有することによって、1台の機械学習で必要だった8時間の学習時間を3分の1に減らすことができたとする。Preferred Networks社長の西川徹氏は、「人工知能や機械学習は各社、単体での普及は進めている。しかし、当社は知的財産を多く持っており、他にない“分散型機械学習”を可能にした。今後は、違う機器同士もリアルタイムで学習結果を共有できるような開発を進めたい」と語る。
FIELD systemの提供は、2016年後半提供開始を予定。価格帯は未定としている。ファナック社長の稲葉善治氏は、「認証プロセスは必要だが、基本的にオープンプラットフォームであり、今後はパートナーの募集を加速していきたい」と語った。
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