国内ファブレスメーカー同士での提携
ザインエレクトロニクス(以下、ザイン)とアクセルは2016年4月25日、業務提携を結ぶことで基本合意したと発表した。販売、営業活動での協力を進める他、両社で技術交流会を開催して研究開発インフラの共同使用を検討していくなどする方針。
ザインは、高速インタフェースや画像処理分野でミックスドシグナルLSIを展開するなどアナログ回路を中心としたコア技術を持つ。一方のアクセルは独自の画像圧縮処理技術をベースにグラフィックスLSIをアミューズメント機器市場に提供している。いずれも日本国内に本社を置くファブレス半導体メーカーでもある。
今回、両社は、事業面および技術面の両面で補完的位置関係にあるとして、「双方の優位性を一層引き出し、アナログLSIからシステムソリューションまで一気通貫の開発力による新たな付加価値を創出し、戦略市場の顧客に提供するため、対等な立場で業務提携することに合意した」(両社)という。
戦略市場に対しての新たな付加価値創出が目的
業務提携では、ザインが戦略市場と位置付ける産業機器、車載機器、モバイル機器、民生機器の4市場と、アクセルの主力市場であるアミューズメント機器市場の計5市場に向けた事業領域でそれぞれで連携を行い、「世界独自のソリューションを創出するチームとして、付加価値提供を通じた持続的成長と社会貢献を実現することを目的としている」(両社)。
例えば、アミューズメント機器市場では、アクセルの市場競争力と、ザインのコスト/品質管理力を生かしたデジタル・アナログLSI製品を相互の保有技術につき協議検討の上で開発し、顧客向けトータルソリューションを共同で企画/提案するとともに、販売協力を実施する。
事務機器市場においては、ザインの独自技術であり、事務機器内インタフェースに広く使われる「V-by-One HS」の伝送経路上に位置する各種LSIとして、ザインブランドによるコントローラ用LSIの共同開発を検討し、ザインの高速インタフェースLSI、アナログフロントエンドLSI、表示制御用LSIと併せて顧客に対して企画/提案、営業活動を行う。
車載機器、モバイル機器などの市場では、ザインの製造工程監視システムを活用した製造ライン管理および品質管理を行いつつ、両社のグラフィックス技術に関する優位性を持ち寄って、新たな付加価値提案を行うための事業協力を行う。
その他、提携業務をより効果的に伸展させるため技術交流会を開催し両社が保有する技術資産、設計開発環境、解析/分析装置など研究開発インフラに関する共同使用について検討するとしている。
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