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ルネサス、5年前の教訓生かした震災対策「成果出た」:熊本地震で被災も早期復旧へ(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクス社長兼CEOを務める鶴丸哲哉氏は2016年5月11日、熊本地震で被災した熊本地区製造拠点の復旧作業状況について説明を行った。
委託先も含めサプライチェーン全体の復旧急ぐ
5月11日の会見で、東日本大震災での那珂工場の被災と今回の被災での違いについて問われた鶴丸氏は「5年前は、那珂工場1カ所だけの被災だったが、今回は、川尻工場だけでなく、後工程の委託先や、材料サプライヤーも被災し広くダメージを受けたという点で異なる」とした。
ルネサスでは、自社工場だけでなく、委託先やサプライヤーとの連携を進め、サプライチェーン全体での早期復旧にも着手している。特に熊本地区の後工程委託先3社が被災し、一時稼働を停止したが、復旧支援を行うなどし、既に3社ともに一部稼働を再開し、6月中には全面復旧できる見通しだという。
機能したBCP、さらに強化へ
東日本大震災での教訓を生かし全面的に見直したBCPの主目的は、製品の供給を継続すること。「今回の地震発生前から需要増で供給がタイトになっていた製品で、後工程委託先で仕掛かりを失い、立ち上げがタイトになっている」(鶴丸氏)と一部で供給継続が難しくなっているものの、おおむねBCPが機能し、その目的を果たしたと言えそうだ。
鶴丸氏は、「かなり成果が出た」と一定の評価を与えつつ、「今は、サプライチェーンとして早期復旧、立ち上げを図る。その後、BCPが機能したかどうか、詳細な検証を実施する」とし、今回の被災を糧にしてさらに災害リスクに強い体制作りを目指す。
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