京セラは2016年5月16日、連結子会社である日本インターを吸収合併し、日本インターの事業を京セラ本体に統合すると発表した。統合は2016年8月1日付で実施する予定。
上場維持方針も業績悪化で一転
京セラは、2015年9月に日本インターの約70%の株式を株式公開買い付け(TOB)により取得し連結子会社化。以来、連結子会社体制による経営を行い、上場(東証2部)を維持する方針だった。
連結子会社後日本インターの業績は、中国経済成長の減速、国内アミューズメント業界における規制強化、国内自動車市況の鈍化などの影響を受け、2016年3月期通期最終損益が赤字となる見通しになるなど悪化。これを受け京セラは、「日本インターの今後の事業拡大には同社の経営基盤の強化が必要であり、人材、技術、資金をはじめとした京セラ全体の経営資源の活用といった抜本的な対策が不可欠であると判断した」とし、2015年12月に日本インターに合併を申し入れ、今回の合意に至った。
合併に伴い、日本インター1株に対し京セラ0.032株が割り当てられる予定で、合併実施日は2016年8月1日。日本インターは2016年7月27日で上場廃止となる。
日本インターはダイオードなどのディスクリート半導体事業やパワーモジュール事業などを展開。2011年3月期末には債務超過に陥ったが産業革新機構傘下で再建を果たし、2015年9月から京セラの連結子会社となっていた。
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