半導体商社が“くまのぬいぐるみ”開発を行う理由:NTTドコモなど4社が共同で開発した「ここくま」(3/3 ページ)
2016年3月、NTTドコモなど4社がコミュニケーションパートナー「ここくま」を発表した。ここくまとは、離れて暮らす家族と連絡が取れる“くまのぬいぐるみ”の形をしたロボットだ。4社のうち、開発マネジメントを担当したのが半導体商社のバイテックグローバルエレクトロニクスである。なぜ、同社がくまのぬいぐるみロボットの開発に携わったのか、鈴木裕二氏と西晃彦氏に話を聞いた。
ビジネスコーディネーターとして拡大を
バイテックが取り組む開発マネジメントはここくまだけではない。例えば、アマネク・テレマティクスデザインが、エフエム東京が推進するV-Lowマルチメディア放送を活用して開設した、モビリティ向け専用デジタルラジオチャンネルの事例がある。
同チャンネルは、放送と通信、位置情報(GPS)とビッグデータを融合したもので、開発にはエフエム東京だけでなく、ハードウェア/ソフトウェアメーカーなど計14社が関わった。その中で、バイテックは受信機の開発マネジメントを中心的に行い、2015年10月には受信機開発と販売に向けた取り組みを開始すると発表している。
鈴木氏は「技術に関わるサービスを全て提供できるような体制作りを進めている。それに向けて、会社の組織体制も改革しており、新しい成長分野を探していく」と語る。現在も、ハードウェア、ソフトウェアメーカーとともにサービス作りを複数行っており、今後もビジネスコーディネーターとしての展開を積極的に進めていくとした。
植物工場も!?
もう1つの成長分野として、バイテックグリーンエナジー(バイテックホールディングスのグループ会社)の“環境”を挙げた。今までメガソーラーの展開も進めてきたが、2016年4月に新しい取り組みとして、秋田県大館市に植物工場を竣工している。2016年5月9日には、レタスの販売を開始すると発表したばかりだ。
同社は、「ただの植物工場ではなく、半導体商社としての強みを生かしてIoTを活用した植物工場を全国に広げていきたい」と語る。将来的には、植物工場を全国展開し、フランチャイズも含めて15カ所の工場建設を予定しているという。
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