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半導体商社から付加価値ビジネスへと構造変換を:バイテックが語る経営戦略(2/2 ページ)
バイテックホールディングスは2016年6月2日、デバイス事業と環境エネルギー事業の2つの柱に関する経営戦略説明会を東京都内で開催した。2016年度は、基盤整備の年と位置付ける。
秋田県大館市にレタス工場を竣工
環境エネルギー事業で重点施策の1つとして特徴的なのは、秋田県立大学との共同研究によって生まれた植物工場である。バイテックグリーンエナジーが2016年4月、秋田県大館市に植物工場を完成させた。1日約1万株のフリルレタスを生産しており、既に地元のスーパーや大手のコンビニエンスストアの採用が決まっているという。
2016年中には、石川県と鹿児島県にも植物工場を設ける予定。フランチャイズ展開や販売ルートの構築を進め、5年以内に約15カ所の稼働を予定している。将来的には、既存ビジネスの技術を生かしたIoTやビッグデータの活用を進めていくとした。
今野氏は、「デバイスメーカーがどんどん合併していく中で、国内には多くの半導体商社が存在しているため、新しい形の模索をしていかなければならないのは当然だろう。当社は、グローバルという視点で台湾WPGとの提携やドイツへの進出を進めているため、今後10年以内にメガディストリビューターとしての位置を確立したい」と語る。
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