Zynq UltraScale+MPSoCにデュアルコア版:ファミリ追加でスケーラビリティを拡大
Xilinx(ザイリンクス)は、CPUコア搭載FPGA「Zynq UltraScale+MP(マルチプロセッサ)SoC」デバイスファミリとして、デュアルコア版の「CG」ファミリ製品を新たに追加した。
より多くの選択肢と拡張性を顧客に提供
Xilinx(ザイリンクス)は2016年6月、CPUコア搭載FPGA「Zynq UltraScale+MP(マルチプロセッサ)SoC」デバイスファミリに、デュアルコア版の「CG」ファミリ製品を追加した。
「Zynq UltraScale+CG」は、アプリケーションを処理するユニットとしてARM Cortex-A53コアを2個、リアルタイム処理を実行するユニットとしてARM Cortex-R5を2個それぞれ内蔵し、ヘテロジュニアスのプロセッシングシステムを構成している。プログラマブルロジックなども統合されており、産業用モーター制御やセンサーシステム、医療用機器などの用途に向ける。
Zynq UltraScale+CGは、既存のZynq UltraScale+MPSoCデバイスファミリと同様に、TSMCの16nmFinFET+プロセスを用いて製造する。2017年上半期より供給される予定である。それに先駆け、2016年第4四半期(10〜12月)より、同社の開発環境「Vivado」でもZynq UltraScale+CGのサポートが始まり、設計作業を開始することができる。
Zynq UltraScale+MPSoCデバイスファミリとしてはすでに、「Zynq UltraScale+EG」および「Zynq UltraScale+EV」が用意されている。Zynq UltraScale+EGは、最大動作周波数1.5GHzのクアッドコアARM Cortex-A53や、リアルタイムプロセッサとしてデュアルコアのARM Cortex-R5、グラフィックス処理用のユニット「Mali-400」およびプログラマブルロジックなどを集積したSoCである。Zynq UltraScale+EVは、Zynq UltraScale+EGをベースに構成された製品で、H.264/H.265ビデオコーデックユニットを統合するなど、高精細ビデオシステムなどの用途を想定している。
新製品は、現行のZynq UltraScale+MPSoCデバイスファミリとのピン互換性などを保っており、システムのコスト低減を可能とするエントリーモデルと同社では位置付けている。
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