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HOYA、熊本地震の影響で工場閉鎖:今後は、技術開発拠点として活用へ
HOYAは2016年6月20日、同年4月に発生した熊本地方での地震で被災した熊本工場(熊本県菊池郡大津町)を閉鎖すると発表した。同工場跡地は、液晶パネル用フォトマスクの技術開発拠点として活用する方針。
台湾と韓国工場に移管へ
HOYAは2016年6月20日、同年4月の熊本地震で被災していた熊本工場(熊本県菊池郡大津町)を閉鎖すると発表した。工場の復帰に向けて検討を進めてきたが、クリーンルームや精密機器などの設備が莫大な被害を受け、生産再開を断念した。
同工場は、1996年11月に操業開始し、液晶パネル用、半導体用フォトマスクを製造してきた。
同社の液晶パネル用フォトマスクの生産拠点は、熊本以外に韓国と台湾にあり、熊本工場の生産能力は、全体の約4分の1を占めた。今後、液晶パネル用フォトマスクの生産は、台湾と韓国へと移管する。HOYAは2016年5月時点で「台湾と韓国の両工場は現在100%に近い稼働率だが、台湾工場に新しい描画機を2016年3月に導入したばかり。新設備を活用して、カバーしていく予定。2016年度は、熊本工場の約半分は他拠点でカバーしたい」としていた。
半導体用フォトマスクについては、熊本工場でローエンド、ミドルエンドの製品を生産してきたが、今後、高精度品の生産を手掛ける八王子工場(東京都八王子市)に移管する。
熊本工場跡地については2017年3月をめどに、液晶パネル用フォトマスクの技術開発における主要拠点を再建する方針。
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