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クルマの厳しい要求仕様に応えるDRAMとフラッシュメモリ福田昭のストレージ通信(38) Micronが考えるメモリシステムの将来(2)(2/2 ページ)

今回は、自動車のエレクトロニクスシステム、具体的には、ADAS(先進運転支援システム)およびクラスタ・ダッシュボード、車載インフォテインメントで使われるメモリを解説する。さらに、これらのメモリの5年後のロードマップも見ていこう。

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ADAS:NOR型フラッシュとLPDDR系列のSDRAM

 続いてメモリシステムの5年前と現在を振り返るとともに、5年後の姿をADAS向けとインフォテインメントシステム向けのそれぞれで展望しよう。

 はじめはADASのメモリシステムを、不揮発性メモリと揮発性メモリに分けて予測する。5年ほど前のシステムには、不揮発性メモリに32MビットのNOR型フラッシュメモリ、揮発性メモリには128Mビットの標準SDRAMまたは最大容量1GバイトのLPDDR SDRAMが使われていた。不揮発性メモリはプログラムコードの格納用、揮発性メモリは作業領域用である。

 それが現在では、不揮発性メモリがQSPIインタフェースで128Mビット以上のNOR型フラッシュメモリに、揮発性メモリが最大容量1GバイトのLPDDR2 SDRAMに代わり、記憶容量が増加するとともにデータ転送帯域が広がった。

 5年後には、不揮発性メモリはコード格納用とデータ格納用に使われる。コード格納用は記憶容量が最大512MビットのNOR型フラッシュメモリ、データ格納用は記憶容量が8Gバイト〜16GバイトのNAND型フラッシュストレージ(eMMCおよびUFS)となる。揮発性メモリには最大容量4GバイトのLPDDR4 SDRAMが使われる。


先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)向けメモリシステムの推移。2015年の時点で、世界全体では毎月750万台のクルマが生産されている。Micronの製品はクルマ1台当たりに3個以上は搭載される。Micronは世界最大手のクルマ用メモリサプライヤーでもある(クリックで拡大) 出典:Micron Technology

インフォテインメント:HDDからSSDへ

 続いて車載インフォテインメント(IVI:In-Vehicle Infotainment)システムのメモリシステムを展望しよう。5年ほど前のシステムでは、プログラムコード格納用に256MビットのNOR型フラッシュメモリ、データ格納用に2GビットのSLCタイプNAND型フラッシュメモリまたは、記憶容量32Gバイトのハードディスク装置(HDD)が使われていた。DRAMには最大で1GバイトのDDR2 SDRAMを搭載していた。

 それが現在では、コード格納用には1GビットのNOR型フラッシュメモリ、あるいはeMMCを使う。データ格納用には4Gバイト〜64GバイトのeMMCあるいは240GバイトのHDDを載せる。DRAMには最大で4GバイトのDDR3 SDRAMを採用している。

 5年後には、コード格納用には2GビットのNOR型フラッシュメモリあるいはeMMCを使う。データ格納用には4Gバイト〜128GバイトのeMMC/UFSあるいは最大480GバイトのSSD(Solid State Drive)を載せるようになる。DRAMには最大で8GバイトのLPDDR4 SDRAMを採用する。


車載インフォテインメント(IVI:In-Vehicle Infotainment)システム向けメモリシステムの推移(クリックで拡大) 出典:Micron Technology

次回に続く

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