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LPWAとWi-Fi HaLow、完全に競合する可能性もIoT向け通信ネットワークの台頭で(3/3 ページ)

Wi-Fi Allianceと無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)は共同で、Wi-Fiの今後を議論するイベント「2016 Tokyo Wi-Fi Summit」を2016年7月27日に東京都内で開催した。Wi-Bizの会長は、IoT(モノのインターネット)向けネットワークでは、Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)と、SigfoxやLoRaといったLPWA(Low Power Wide Area)が「完全に競合する可能性があり、使い方をきちんと議論する必要がある」との見解を示した。

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「Wi-Fi CERTIFIED ac」の新機能「Wave 2」

 Wi-Fi Allianceは「2016 Tokyo Wi-Fi Summit」に併せて記者説明会を開催し、802.11acをベースに相互互換性を確認する認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED ac」の新機能「Wave 2」を紹介した。Wave 2は、次の4つの技術によって、従来の「Wave 1」に比べて約3倍(理論値)のスループットを実現できるとする。

  • マルチユーザーMIMO(MU-MIMO):複数のデバイスに同時にデータを送信可能(従来は、まずAに送信、次にB、次にC、といったように順に送信)
  • 160MHzの帯域幅:従来は80MHzだった帯域幅を最大160MHzに拡張
  • 4つの空間ストリーム:空間ストリームのサポート数を、従来の3つから4つに増加
  • 5GHz帯でのサポートを拡大:5GHz帯で利用できるチャンネルを増加し、干渉と混雑状態を緩和

 Wave 2の認定プログラムは2016年6月29日(米国時間)から正式に開始しているが、Wave 2に対応した製品は、認定プログラムがドラフト段階だった時から市場に投入されている。例えばSamsung Electronicsの「Galaxy S7」はWave 2に対応している。

 Wave 2に対応し、相互運用性の認定向けテストベッドに選定されたチップセットやレファレンス設計は、以下の通り。

  • Broadcom「BCM94709R4366AC」
  • Marvell「Avastar A88W8964」
  • MediaTek「MT7615 APリファレンスデザイン」「MT6632 STAリファレンスデザイン」
  • Qualcomm「IPQ8065 802.11ac 4ストリームデュアルバンド」「デュアルコンカレントルーター」
  • Quantenna Communications「QSR1000 4x4 802.11ac Wave 2チップセットファミリー」

Wi-Fi Allianceのマーケティング担当バイスプレジデントであるKevin Robinson氏

 Wi-Fi Allianceのマーケティング担当バイスプレジデントと努めるKevin Robinson氏は、Wi-Fi市場における2つのトレンドとして「コネクテッドデバイスの増加」と、高精細な動画など容量が大きい「リッチコンテンツの増加」を挙げた。同氏は、Wave 2によって、“大容量かつ多様なコンテンツのスムーズな伝送”というユーザーの強いニーズに応えられるとし、Wave 2の認定プログラムが正式に始まったことで、Wi-Fi Allianceの最も重要な仕事である「Wi-Fiデバイス間の相互運用性の確保」が、より強化されると述べた。

 なお、LTE-UやLAA、MulteFireについて、記者からは「Wi-Fi Allianceは、これらの規格に反対する立場にあるのか」という質問があったが、Robinson氏は明確には回答せず、「Wi-Fi Allianceの活動の焦点は、ユーザーがより使いやすいWi-Fi環境を整えることにある」と述べるにとどまった。ただ、Wi-Fi Allianceは2015年に、LTE-UとLAAについてより多くの情報を開示するよう、FCC(米国連邦通信委員会)に要求している。

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