4Kテレビを10万円で売ったメーカー
映像配信サービスや、スマートフォン、テレビなどを手掛ける中国のLeEcoと、米国のVIZIOは2016年7月26日(米国時間)、LeEcoがVIZIOを20億米ドルで買収することで合意したと発表した。取引きは2016年第4四半期に完了する予定だ。
なお今回の買収では、VIZIOのハードウェアおよびソフトウェアの事業がLeEcoの完全子会社となり、VIZIOブランドは維持される。ただし、VIZIOの視聴データ事業であるInscapeは買収の対象外となり、VIZIOからスピンアウトする予定だ。
VIZIOは2002年に設立されて以来、テレビやサウンドバーなどの製品を7000万台以上、出荷してきた。2014年には、50型の4Kテレビを999.99米ドル(約10万円)で発売したことで話題を呼んだ。各メーカーの4Kテレビが軒並み20万円以上の価格で販売されていた当時、これは衝撃的な価格だった*)。
*)勝ち抜くための組織づくりと製品アーキテクチャ(3):VIZIOの4Kテレビはなぜ売れた? 「意味的価値」の追求
LeEcoの創設者で、チェアマン兼CEO(最高経営責任者)のYT Jia氏はリリースの中で、「VIZIOの買収は、われわれのグローバル化戦略と、北米での存在感の強化において重要なステップとなる」と述べている。
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