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Intel、Altera製品のサポート加速を明言Alteraの買収完了から8カ月

Intelは、米国で開催した「Intel SoC FPGA Developer Forum(ISDF) 2016」において、Altera製品のサポートを強化すると強調した。

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Alteraのサポートを強化

 IntelのCEO(最高経営責任者)務めるBrian Krzanich氏は、2016年8月18日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催した「Intel SoC FPGA Developer Forum(ISDF) 2016」で、ARMコアの搭載や長期的な製品リードタイムを含め、2015年12月に買収を完了したAlteraの基幹事業をサポートしていくことを明言した。

 Krzanich氏はISDF 2016で、「当社の買収によってAlteraの成長が加速したのであれば、(160億米ドルもの巨額を投じて)買収した価値があったといえるだろう」と述べている。

 Krzanich氏は一例として、2016年末までにAlteraの旗艦製品であるFPGA「Stratix 10」を出荷することを確約した。同チップは今後、Intelブランドで発売され、Intelの14nmプロセス技術と、パッケージング技術「EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)」を適用した初めての製品となる。


Intelブランドとして2016年に出荷を開始する「Stratix 10」を掲げるKrzanich氏

 Krzanich氏は、「(ARMコアを搭載した)既存製品や既に計画されている製品の変更はない」と断言した。

 同氏は同イベンドで、数百名のFPGA開発者に対して「Intelのアークテクチャ(IA)に固執し、FPGAからARMを除外して顧客企業がプログラミングを変更しなければならないような事態を招くつもりはない」と述べた。さらに、「最先端の製品の中にはIAコアの方が適しているものもあるかもしれないが、それはごく一部だと考えている。IAコアに固執することは、当社にとってコストの無駄であり、顧客企業にとっては迷惑でしかない」と語った。

Xeon+FPGA+3D XPoint

 Krzanich氏は、「FPGAに組み込むデフォルトプロセッサはARM製になる予定だ。この回答をもって、この件に関する質問や議論に終止符を打ちたい。今後は、プロセッサ『Xeon』とFPGAを組み合わせることで、さまざまなレベルのハイエンド性能を実現していく予定だ。当社は、XeonとFPGAを統合した製品をサンプル出荷しているが、生産量の拡大についても検討している。よりハイエンドの性能が必要とされるデータセンサーに対応した製品の開発も目指したい」と語った。

 Krzanich氏はある質問に対して、「XeonとFPGA、『3D XPoint』メモリをIntelのインターコネクト『Omni Path』ファブリック技術で組み合わせた製品の開発に取り組んでいる」と明言した。ただし、同チップの詳細や出荷時期については明らかにしなかった。

 Alteraの元経営幹部で現在はIntelのFPGA部門のマネジャーを務めるDan McNamara氏は、「Alteraの買収が発表された時、当社の顧客企業は、静観する姿勢を取りつつも、Alteraのデータセンター向け製品の提供が続けられるのか不安に感じていた。だが今、投資計画やロードマップ、改善点が明確化になり、こうした懸念が軽減されたと感じている」述べた。


IntelのDan McNamara氏(左)

 またKrzanich氏は、Alteraのセールス&サポートチームを離れる予定だと述べた。エンジニア同士のやりとりを活発化するのが、その狙いだという。Intelの戦略上、Alteraは鍵となる。差異化を狙う上で、FPGAとメモリが中核となるからだ。

 ISDF 2016の参加者からは、AlteraのFPGA設計ツールについても強化してほしいとの要望があった。McNamara氏は、IntelのFPGA部門が現在、システムソフトウェアの開発にも精力的に取り組んでいると語った。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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