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“オールGaN”のパワーICでアダプターが1/2に小型化満を持してダイアログが投入(2/2 ページ)

Dialog Semiconductor(ダイアログ・セミコンダクター)が、GaNパワーICを発表した。これによって同社は、GaNパワー半導体市場に本格的に参入する。同社は2016年8月24日、東京都内で記者説明会を開催し、GaNパワーIC「SmartGaN DA8801」の詳細を説明した。

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アダプターのサイズが1/2に

 Moreno氏は、「同プラットフォームを採用することで、ACアダプターのサイズと電力損失を従来の2分の1にできる」と述べる。また、25WのACアダプターにおいて94%以上の高い効率を実現できるとしている。


GaNを採用したACアダプターと、採用していないACアダプターのサイズのイメージ(クリックで拡大) 出典:Dialog

DialogのMark Tyndall氏

 同社は現在、急速充電アダプター向けのコントローラーIC市場において約70%のシェアを持っているという。既に確固たる地位を築いている同市場を、DA8801のターゲットにするのはDialogにとっては自然な流れだ。Dialogでコーポレート・デベロップメント ストラテジー担当バイスプレジデントを務めるMark Tyndall氏は、「ACアダプターに必要なICをプラットフォームとして提供できることが、当社の強みである」と強調した。

 DA8801のサンプルは入手可能。量産についてTyndall氏は、「大手スマートフォンメーカーは、2017年にはGaNパワーデバイスを採用したACアダプターを市場に投入するとみられる」とし、それに合わせて量産体制を整えるとした。

 Tyndall氏は「今後1年以内に、民生機器向けのGaN製品を量産するメーカーとしては、当社が初めてになるだろう」と語った。量産規模の大きい民生機器にGaNが採用され始めれば、GaN市場が一気に成長する可能性がある。実用化の点でSiCに後れを取っていたGaNの採用が加速するかもしれない。

PMICで成長

 Dialogは1981年にイギリス・ロンドンに設立された。現在の従業員数は約1680人で、そのうち75%がエンジニアだ。日本では、東京にR&D(研究開発)センターとセールスオフィスを構えていて、40人の従業員がいる。ウェアラブル機器などに向けたBluetooth Low Energy(BLE) SoC(System on Chip)や、スマートフォン向けPMIC(パワーマネジメントIC)などが成長要因となり、2007年から2015年にかけ41%のCAGR(年平均成長率)で売上高が伸びている。2007年の売上高は約8700万米ドル、2015年は約13億5000万米ドルだった。

 2015年9月には、マイコンを手掛ける米Atmelを46億米ドルで買収すると発表した。だがその後、Microchip TechnologyがAtmelに対抗買収を仕掛け、最終的にはMicrochipがAtmelを35億6000万米ドルで買収することとなった。

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