ファイバー一体型デバイス、最大16Gbpsに対応:電気絶縁と高速データ伝送を両立
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、単方向2チャンネルタイプで最大16Gビット/秒のデータ伝送を可能とする光アクティブコネクター「Vシリーズ」を発表した。
独自のシリコンベンチ構造で小型化を実現
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2016年9月、単方向2チャンネルタイプで最大16Gビット/秒のデータ伝送を可能とする光アクティブコネクター「Vシリーズ」を発表した。光アクティブコネクターとは、光ファイバ両端のプラグ部に電気/光変換機能を搭載した光ファイバ一体型デバイスのことである。医療機器や業務用印刷機器、計測機器、セキュリティカメラ、ロボット、産業機器などの機器内ユニットやモジュール、基板間の信号接続といった用途に向ける。
新製品は、プラグとレセプタクルからなる。独自の微細加工技術を用いて、シリコン基板上に光/電気変換回路や光ファイバーを搭載したシリコンベンチ構造を採用した。この構造により、光伝送路内の光損失が少なくなり、クロストークなど隣接するチャネルへの影響も少ないため、基板やモジュールへの高密度実装が可能になるという。
プラグの外形寸法は9.1×12.7mmで、嵌合(かんごう)時の高さは6.5mmという小型化を実現しつつ、複数チャネルの実装を可能とした。また、高周波回路の設計を工夫することでプラグ内の信号劣化も抑制することができたという。チャネル当たり20Mビット/秒〜8Gビット/秒の広帯域で光伝送に対応、最大16Gビット/秒の高速伝送を可能とした。
新製品は、電気/光変換機能を内蔵したプラグ部に金属のカバー構造を用いている。これによって、電気/光変換部分の耐ノイズ性能を高めている。電気絶縁と16Gビット/秒の高速データ伝送を両立できることから、人体に接触しつつ、4K/8K画像のデータ伝送を必要とするような医療機器などの用途に適しているという。
新製品は、レーザー発振波長が850nmで、ファイバーケーブル長は標準品として50mm、500mm、1mの3タイプを用意している。要求に応じて最大10mまでカスタム対応する。電源電圧は3.3V、消費電力は最大230mW(単方向2チャンネル時)、動作温度は0〜70℃である。2016年10月1日より受注を開始する予定である。
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