東芝の15W受電用IC、Qi v1.2の認証を取得:携帯/産業機器などへの実装も容易
東芝は、ワイヤレス給電受電用IC「TC7766WBG」に関して、WPC(Wireless Power Consortium)が策定した規格「Qi(チー)v1.2 EPP((Extended Power Profile)」の認証を取得した。
コンパクトなワイヤレス受電システムの構築が可能に
東芝は2016年9月、ワイヤレス給電受電用IC「TC7766WBG」に関して、WPC(Wireless Power Consortium)が策定した無接点充電の国際規格「Qi(チー)v1.2 EPP((Extended Power Profile)」の認証を取得したと発表した。「15W受電可能なICとして認証を取得した唯一の製品」と同社は主張する。
TC7766WBGは、2015年11月に開発発表を行い、既に量産体制を整えている。ワイヤレス給電動作に必要となる整流回路やコントローラーなど全ての機能を搭載した。パッケージは、外形寸法が2.4×3.67×0.5mmと小さい28端子WCSPを採用している。このため、受電システムをより小型にすることが可能である。
また、I2Cインタフェースを介して、TC7766WBGのレジスタにアクセスすることが可能となっている。この機能により、送電機器側との通信情報や動作状態を読み出し、必要に応じてモバイル機器などに表示させることができる。
TC7766WBGは、電磁誘導方式を用いており、出力電力は最大15W、出力電流は最大1.7A、出力電圧設定は5〜14Vとなっている。今回認証されたのは15W向けの「TC7766WBG-M000」だが、同社は5W向けのBPP(Baseline Power Profile)に準拠した「TC7766WBG-M010」もすでに用意している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 60〜200Wワイヤレス給電の実現へ、新WGが発足
「Wireless Power Consortium(WPC)」会長のMenno Treffers氏は2016年4月、東京都内でワイヤレス給電規格「Qi」のロードマップを説明した。最大受電電力15Wの急速充電が可能になる仕様に加えて、60〜200Wの実現に向けた新しいワーキンググループが発足されたと発表した。 - 15Wワイヤレス給電仕様が公開、2つの新たな方式
ロームの主席技術員である成清隆氏は、WPCが主催した「ワイヤレスパワー総合展示会&セミナー」(2016年4月8日)において、最大受電電力15Wであるワイヤレス給電規格「Qi Medium Power」のシステム構成や従来仕様との違いなどを一般向けに初めて公開した。 - TDKと東芝、車載インバーターの合弁会社を設立へ
TDKと東芝は、車載インバーター事業を手掛ける合弁会社「TDKオートモーティブテクノロジーズ株式会社」を設立することで合意した。事業開始は2016年12月1日を予定している。 - 東芝、64層の3D NANDをサンプル出荷 「世界初」
東芝は2016年7月26日、64層の3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(3D NAND)「BiCS FLASH」のサンプル出荷を開始すると発表した。256Gビット 3ビットセルチップで、今後はチップ単体で0.5Tビットの製品まで提供予定。量産出荷は、2016年第4四半期に開始する見込みという。 - 東芝、3D NANDで世界獲るには「量産が課題」
東芝とウエスタンデジタルコーポ―レーションは、新製造棟「東芝四日市工場新第2製造棟(N-Y2)」の完成に伴い、3次元構造のNAND型フラッシュメモリに関する事業計画について説明した。 - 東芝、18年度売上高5.5兆円に向けた事業計画
東芝は2016年3月18日、2016年度(2017年3月期)事業計画説明会を開催し、2016年度に全事業を黒字化させるという経営再建策の進み具合と、2018年度売上高5兆5000億円、純利益1000億円を暫定目標に据えた成長戦略を発表した。