におい成分を複数のガスセンサー素子で測定:呼気で健康管理、IoTで見守りセンサーにも
太陽誘電は、「CEATEC JAPAN 2016」で、さまざまなガス成分を選択的に検出し、においを識別することができる「においセンサー」などの最新技術を展示した。
可変容量素子や可視光通信の最新技術も
太陽誘電は、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で、さまざまなガス成分を選択的に検出し、そのパターンでにおいを識別することができる「においセンサー」などの最新技術を展示した。
同社は、「Reliable the Next〜信頼で応える、太陽誘電のIoTソリューション〜」をテーマに、開発中の試作品などを数多く展示した。その1つがにおいセンサーである。においセンサーは、アロマビットと共同開発した。水晶基板上に、におい分子を選択して吸着させる感応膜を成膜している。感応膜は、アンモニアやトルエン、アセトン、エタノールなど、それぞれのにおい分子に反応し、選択的にガス成分が吸着する材料を用いている。におい分子の吸着量に比例して、水晶振動子の周波数は変化する。におい成分を複数のガスセンサー素子で測定し、得られた各成分のパターンから、においを識別することができるという。
会場には、異なるにおい分子に反応する6種類のセンサー素子と周辺回路を実装したセンサーモジュールを用意した。評価用に提供するモジュールの外形寸法は55×30mm程度となる予定だ。2017年早々にもサンプル品の出荷を始める計画だ。
用途について、「コミュニケーションロボットにおけるにおい判別や、製造ライン/製造設備などにおけるにおい検知、健康管理に向けた口臭や体臭などの測定、安心・安全を見守るための異臭検知など、さまざまなにおい検知の用途に提案していきたい」(説明員)と話す。会場では、試作したにおいセンサーを人形の鼻部に内蔵し、オレンジ、ブルーベリー、ペパーミントのにおいを識別するデモを行った。
これ以外にも注目技術を紹介した。送電側と受電側の機器が±20mmずれても高い送電効率を実現するワイヤレス給電向けの「可変容量素子」技術、自動車のハンドルに取り付け車線逸脱時などに振動で警告したり、タッチパネルと組み合わせて、指で触れたスイッチ部分などでざらざら感を感じたりすることができる「積層型圧電アクチュエーター」技術、最大100mの距離で最大100Mビット/秒の伝送レートを実現する「可視光通信」技術などのデモ展示を行った。
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