急速充電や蓄電システムで新時代を支える:変わりゆく電力事情に対応
ニチコンは、「CEATEC JAPAN 2016」で「蓄電新時代」をテーマに、急速充電器や蓄電システムによって、電気自動車(EV)と家庭、公共・インフラなどが1つにつながる社会を提案した。
EVと家庭、公共・インフラなどが1つにつながる
ニチコンは、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で「蓄電新時代」をテーマに、急速充電器や蓄電システムによって電気自動車(EV)と家庭、公共・インフラなどが1つにつながる社会を提案した。
太陽光発電装置の需要拡大やEVの普及、売電価格の低下など、電力事情が変化していく中で、蓄電システムなどが注目されている。一方、災害などによる停電時は、EVに蓄電した電気を家庭内で再利用する機運も高まっている。
こうした中で同社は、メインステージにEVスポーツカー「トミーカイラZZ」を展示。この車に搭載された同社製充電器一体型DC-DCコンバーター製品や自動車用デバイス、さらには急速充電器向けのモジュールおよび関連するアルミ電解コンデンサーなどの最新技術を紹介した。
EV用急速充電器や蓄電システムについても製品群を強化しており、同社ブースで紹介した。EV用急速充電器は、EV蓄電池の大容量化に対応し、出力アップと小型化を図った。従来モデルの定格出力は20Wや30Wであったが、新製品は25Wおよび35Wにそれぞれ出力を高めている。出力電流は25W機で40Aから62Aへと55%増加、35W機は同じく60Aから87Aへと45%増えた。「出力電流を大きくすることで、充電時間を短縮することができる」(説明員)と話す。
家庭用蓄電システムについては、容量が12kWhの従来製品に加えて、コストパフォーマンスに優れた製品を新たに追加した。容量が11.1kWhの単機能蓄電システムである。V2H(Vehicle to Home)を実現するEVパワーステーションも含めて、家庭用から公共施設、産業施設用に至るまで幅広く、「蓄電新時代」に対応した製品開発を行っていくという。
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