ニュース
村田製作所、仏Siキャパシターメーカー買収:コンデンサー事業の強化目指して
村田製作所は2016年10月12日、フランスに本社を置くシリコン(Si)キャパシターメーカーを買収すると発表した。
薄さ80〜100μmで、耐圧最高250℃
村田製作所は2016年10月12日、フランスに本社を置くシリコン(Si)キャパシターメーカーであるIPDiAを買収すると発表した。10月7日付で両社は株式売買契約を締結し、買収は10月末に完了する見込み。
IPDiAは、シリコン受動素子の設計、開発、生産、販売を手掛ける企業。2009年設立で、従業員数は130人。主力製品として、医療機器や産業機器、通信機器など信頼性が要求される用途向けに3Dシリコンキャパシターを展開。シリコンキャパシターは、厚さ80〜100μm程度と薄型で、最高250℃耐熱を誇り、ピコファラドクラスから数十マイクロファラドの容量を実現しているという。その他、RF受動素子、インターポーザ―なども展開している。
両社によると「シリコンキャパシターは、自動車産業、医療機器、通信機器など高信頼性、耐熱、小型化、薄型化が要求される市場において需要が拡大している」とする。
村田製作所では、IPDiAのシリコンキャパシターを製品ラインアップに加えることで、通信分野、自動車分野、医療機器分野でのコンデンサー事業の強化、拡大を図る狙いだ。
なお、IPDiAの株式の取得は、村田製作所の欧州地区統括子会社であるMurata Electronics Europe(本社:オランダ)を通じて行う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソニー電池事業買収、4つの勝算
2016年7月、村田製作所はソニーの業務用電池事業を買収すると発表した。コンデンサーを中心とした電子部品メーカーである村田製作所が、苦戦続きのリチウムイオン電池事業を立て直すことができるか懐疑的な見方も多い。なぜ、村田製作所は電池事業を買収するのか、そして、勝算はあるのか――。同社取締役の中島規巨氏に聞く。 - 村田製作所と指月電機が資本提携し合弁設立へ
村田製作所と指月電機製作所は2016年9月16日、資本業務提携を結び2016年10月1日付で共同開発する新素材を用いたフィルムコンデンサーの開発、製造を行う合弁会社を設立すると発表した。 - TDKと東芝、車載インバーターの合弁会社を設立へ
TDKと東芝は、車載インバーター事業を手掛ける合弁会社「TDKオートモーティブテクノロジーズ株式会社」を設立することで合意した。事業開始は2016年12月1日を予定している。 - 日本電産、Emersonのモーター事業などを買収
日本電産が、米国Emerson Electricからモーター・ドライブ事業と発電機事業を買収する。買収金額は12億米ドル(約1200億円)で、買収完了は2016年度第3四半期(10〜12月)の予定だ。 - TE、ドイツのインターコンテックを買収
TE Connectivityは、丸型メトリックコネクターなどを手掛けるドイツのIntercontec Group(インターコンテックグループ)を買収する。これによって、TE Connectivityは、FAおよび産業機器分野向けの製品ラインアップを拡充し、同分野でのポジションの強化を狙う。 - 圧倒的な車向けシェアと技術でメガ商社に挑む
豊田通商は、傘下のエレクトロニクス商社2社(豊通エレクトロニクス/トーメンエレクトロニクス)を2017年4月に経営統合することに関して2016年9月29日、都内で記者会見を行い、統合新会社の社名を「ネクスティ エレクトロニクス」とすると発表した。