IoT市場の鍵は「シェアリングエコノミー」にある:台湾Advantechが語る戦略(2/2 ページ)
Advantechは2016年10月27〜29日、台湾・林口キャンパスで、顧客やパートナーを対象としたカンファレンスを開催した。同社CEOのKC Liu氏は、成長するIoT市場に向けて「クローズな組織ではなく、“シェアリングプラットフォームカンパニー”へと変革している」と語る。
センサープラットフォーム「M2.COM」を展開
アドバンテックでVice Presidentを務めるMiller Chang氏は、Embedded IoT事業における戦略と新製品について説明を行った。新製品で注目すべき箇所は、2016年6月に発表したセンサープラットフォームのオープン規格と位置付ける「M2.COM」だろう。
同社とARM、Bosch Sensortec、Sensirion、Texas Instrumentsが提携して展開するM2.COMは、IoT向けセンサーの裾野を広げるために規格化した1つのパッケージという。コネクターに標準的なM2を採用。大きく分けてマイコン部(Cortex-M4)、無線通信部、パワーマネジメント部、センサーの4つのブロックから構成されている。
外形寸法は22mm×30mmおよび42、60mm、mbedとリアルタイムOSに対応する。「LWM2M」や「OSGI」「AllJone」「MQTT」などのIoT通信プロトコルにも対応。アドバンテックでは、2016年6月からWi-Fi対応のM2.COMモジュール「WISE-1520」の出荷を開始している。同製品を実装したIoTセンサーノードスターターキットもそろえた。低消費電力ネットワーク規格「LoRa」に対応する「WISE-1510」や、Bluetooth Smart対応の「WISE-1530」、LTE対応の「WISE-1570」も展開する予定だ。
Miller Chang氏は、他にもIoT向けゲートウェイ「UTX-3117」や、組み込みボード「SOM-5992」、モジュール型の産業用PC「ARK-2230L」などの新製品を紹介した。
インダストリー4.0を具体化する工場を
林口キャンパスは、2014年に1期工事、2016年に2期工事を終えて、完成したばかりだ。プロダクトショールームやミーティングスペースに加えて、中国・蘇州にある工場と同等規模の製造能力を持つ工場も稼働している。同工場は、最新の設備が導入されており、同社センサーなどを用いたインテリジェントファクトリーとなっているという。Chaney Ho氏は、「インダストリー4.0を具体化する工場を目指す」と語る。
また、日本市場については、「巨大なマーケットではあるが、これまで閉ざされていた状況で、ビジネス規模はそれほど大きくなかった。しかし、ここ3年で、ビジネスだけでなくパートナーシップを求める企業が増えるなど、明らかな変化が起こり始めている。そのため、日本のビジネスにも注力していきたい」(Chaney Ho氏)と語った。
同社日本法人の社長を務めるマイク小池氏によると、国内の売り上げ比率はまだ成長の余地はあるとしているが、現在の成長率で比較すると国内が1番高いようだ。
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