4K対応の画像処理LSI、処理速度を従来の約3倍に:アルゴリズムを大幅に改良
ソシオネクストは、ドローンやアクションカメラなどの機器による動画撮影に最適化したイメージングプロセッサ「SC2000」のサンプルおよびSDK(ソフトウェア開発キット)の提供を開始した。
消費電力は動作時で約1.7W
ソシオネクストは2017年1月5日、ドローンやアクションカメラなどの機器による動画撮影に最適化したイメージングプロセッサ「SC2000」を開発したと発表した。同日からサンプルおよびSDK(ソフトウェア開発キット)の提供を開始する。
SC2000は、同社のイメージングプロセッサ「Milbeaut(ミルビュー)」の第8世代となる「M10V」シリーズの新製品となる。Milbeautは2000年の発売以降、ハイエンドの一眼デジタルカメラやスマートフォン、産業機器向けなど幅広いカメラシステムに採用されてきた実績があるという。近年の動画撮影は4Kなど高解像度、高画質化が進み、増大した画像データをより高速に処理し、消費電力を抑えることが求められている。
そこで、SC2000では同社独自の画像処理アルゴリズムの大幅な改良を行った。コンピュータビジョン処理用のDSP(Digital Signal Processor)を搭載する他、4カメラ同時撮影による360度パノラマスティッチングや機械的なジンバル(回転台)が不要なブレ補正、ローリングシャッター補正などの機能を特長としている。
CPUには動作周波数660MHzのARM Cortex-A7 クアッドコアを採用。また、HEVC/H.264コーデックの同時処理が可能だ。画像処理速度は従来品の約3倍となる1.2Gピクセル/秒を実現したと同時に、消費電力は動作時で約1.7Wに抑えた。
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