ニュース
最大40GHzまで性能を発揮するノイズ抑制シート:UL 94V-0準拠の難燃性能
日本モレックスは、最大40GHzまでの高周波ノイズ抑制性能を発揮するノイズ抑制シートを発表した。樹脂に導電フィラ―を含有することで高周波の電磁気エネルギーを吸収できるという。
樹脂に導電フィラ―を含有
日本モレックスは2017年1月6日、最大40GHzまでの高周波ノイズ抑制性能を発揮するEMIノイズ抑制シート「HOZOX HF2」を発表した。磁性フィラ―を含有することで低周波の電磁気エネルギーを吸収するだけでなく、樹脂に導電フィラ―を含有することによって高周波の電磁気エネルギーも吸収できる。
HOZOX HF2はシリコンをベースとした素材を活用し、柔軟性に優れ曲げやすいのも特長だ。多様な形状への貼り付け、巻き付けが可能という。「UL 94V-0」にも準拠した。
同社は、2015年1月にHOZOX HF2の前世代となる「HOZOX」を発表している。HOZOXは2層構造によるノイズ吸収技術を採用していたが、HOZOX HF2では単層構造を採用した。この理由について、担当者は「2層構造はフラットな面に貼り付けできたが、凹凸がある面への貼りつけやケーブルに巻き付けることが難しかった。単層構造にしたことで柔軟性を向上し、さまざまな分野の顧客への提供が可能になる」と語る。性能に関しても、HOZOXの最大10GHzから最大40GHzまでノイズを抑制することを可能にした。
価格については非公開、量産は既に開始している。同社では「高速I/Oや高性能ケーブル、高速ハブ、スイッチ、サーバなど幅広い用途に適する」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 容量400倍? Blu-rayの3.5倍速で記録可能な材料
産業技術総合研究所は、ダイキン工業と共同で大幅な多層化と高速な記録が可能な光ディスク向け記録材料を開発した。時間幅8ナノ秒のレーザーパルスを1回照射するだけで記録ピットを形成可能。Blu-rayディスクの記録速度の3.5倍に相当する書き込み速度を実現したという。 - 排熱を電力へ、熱電変換材料で2倍の出力因子実現
東北大学の宮崎讓氏、林慶氏らの研究グループは2016年12月、マンガンケイ化物系熱電変換材料の発電量を表す出力因子で、従来の1.6〜2倍に相当する結果を得たと発表した。 - “自律発電型”のスマート材料、出力電圧は約3倍
東北大学大学院の成田史生准教授は2016年11月24日、強靭かつ軽量性を備えながら、発電性能が「世界最高レベル」とする自律発電型のスマート材料を開発したと発表した。 - カーボンナノチューブとゴムで熱界面材料を開発
日本ゼオンは2016年11月10日、スーパーグロース法を用いたカーボンナノチューブ「SGCNT」とゴムを複合したシート系の熱界面材料(TIM)の開発に成功したと発表した。 - ポリカーボネート樹脂が進化、新たに金色などを
三菱エンジニアリングプラスチックは2016年9月12日、同社が展開する「高意匠性ポリカーボネート樹脂」において、新たにゴールド色や透明系偏光パール、アルマイト調色を開発したと発表した。 - 反転層型ダイヤモンドMOSFETの動作実証に成功
金沢大学理工研究域電子情報学系の松本翼助氏、徳田規夫氏らの研究グループは、「世界初」となるダイヤモンド半導体を用いた反転層チャンネルMOSFETを作製し、動作実証に成功したと発表した。