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保護素子搭載Type-Cケーブル、焼損原因を断つ:電子部品・材料EXPO(2/2 ページ)
エスエス電子は「第18回 電子部品・材料EXPO」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)で、異常発熱や焼損事故を防止する保護素子を搭載したUSB Type-Cケーブルを展示した。
USBの認証取得はこれから
PPTCとBreakerの素子は、抵抗器などを手掛ける米Bournsが開発したものだ。エスエス電子は、これらを保護素子としてType-Cケーブルに搭載することを提案し、Bournsと共同で今回展示したType-Cケーブルを開発した。エスエス電子は、「当社が確認している限り、現時点ではType-Cケーブルに別部品を搭載して安全機能を実現する製品はない。そのため、PPTCを搭載したType-Cケーブルをいち早くリリースした」と述べている。「今後は、過電流および過熱に対する保護として、ICやサーミスター、その他複数の素子を利用して回路を構成したものが考えられる」(同社)
PPTC搭載Type-CケーブルとBreaker搭載Type-Cケーブルは現在、USB認証の取得に向けて手続きを進めている。USB認証を取得した上で、2017年3〜4月ごろの発売を予定している。なお、エスエス電子が提供する、保護素子を搭載していないType-CケーブルについてはUSB認証は取得済みだ。
PPTC搭載Type-Cケーブルのデモも行った。同ケーブルでスマートフォンを充電している時に意図的に大きな電流を流すと、保護動作を開始し、電流が一気に低くなるというもの。
デモの様子。PPTC搭載Type-Cケーブルでスマートフォンを充電している。約1.6Aの電流が流れている(左)。意図的に大電流を流すと保護素子によって電流が0.3Aに低減した(右) (クリックで拡大)
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